研究課題/領域番号 |
20360257
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長野 克則 北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80208032)
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研究分担者 |
桑原 浩平 北海道大学, 大学院・工学研究院, 助教 (40374582)
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キーワード | 稚内層珪質頁岩 / ハニカムフィルター / 調理臭気 / アセトアルデヒド / 酢酸 / トリメチルアミン / 硫化アリル / 脱臭 |
研究概要 |
北海道産の天然ナノポーラス材料である稚内層珪質頁岩を用い、ハニカム状のセラミック無機フィルターを開発した。また、稚内層珪質頁岩の硫黄系臭気除去能を高めるため、活性炭を25%配合したハニカムセラミックも同様に試作した。開発した無機フィルターの基礎的な脱臭性能試験として、フィルター破砕粒子充填カラムを用いた臭気吸着破過試験、およびハニカムフィルターを用いた臭気通風脱臭試験を行った。その結果、稚内層珪質頁岩ハニカムフィルターはトリメチルアミシ、酢酸で高い吸着性能を示したが、アセトアルデヒドの飽和吸着量はそれらの100分の1以下であった。また硫化アリルでは、稚内層珪質頁岩のみのフィルターでの臭気除去は困難であったが、活性炭を配合したフィルターで良好な吸着能力が確認できた。次に、実際のレンジフード排気経路に、稚内層珪質頁岩ハニカムフィルターと活性炭配合ハニカムフィルターをそれぞれ1段目、2段目に組み込んだ装置を試作し、調理臭気の脱臭試験を行った。豚肉、さんま、にんにくをそれぞれ用いて、調理臭気を発生させ、GC-MSおよび官能試験によって評価した。その結果、いずれの臭気においても、GC-MSのピークは減少し、アルデヒド類や有機酸、脂肪酸などの成分の除去が確認できた。また官能試験では、2種類のフィルターを通過した臭気は、6割のバネラーが「無臭」と回答し、残りの4割が、「何となく臭いを感じる程度」であった。これらの結果から、本研究で開発したフィルターの調理臭気除去に対する有効性が確認できた。
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