研究課題
1.簡易気象観測装置と精密気象観測装置の比較測定本気象ネットワークに使用できる可能性のある市販の簡易気象観測装置として、ウエザートランスミッターとウエザーバケットを取り上げ、精密機器との比較測定を行った。その結果、ウエザーバケットに付属している日射センサーの信頼性が低いことから、ウエザートランスミッターを使用することにした。但し、日射センサーを使用する場合は、別途安価で信頼性の高い機器を追加する必要がある。2.簡易小型温室度センサーの試作及び日射計追加の試みウエザートランスミッターより安価で、本気象ネットワークに使用可能な計測システムの構築を試みた。温湿度のみの測定であれば、センサー+AD変換+データロガー(パソコン)で5万円程度で作成できる見通しであり、ウエザートランスミッターに比べて一桁安価となる。日射計を追加する場合は別途日射計の経費が必要となる。3.中学校へのウエザートランスミッター及びデータロガーの設置鹿児島高専の近隣の中学校、及び教育委員会と交渉し、国分中学校に平成21年10月15日、霧島中学校に平成22年3月10日、ウエザートランスミッター及びデータロガーを設置した。設置においては、周辺障害物の影響が少ないこと、生徒の安全性に支障がないこと、キャンパスの美観等を考慮した。中学校によっては、フィルタリングソフトの関係で直接インターネットに接続できなことがある。ネットワーク停止や時刻設定においても個別の対応が必要である。4.観測データのグラフ表示と比較中学校及び鹿児島高専で観測されたデータを登録したデータベースから指定したデータを呼び出し、気温、湿度、風速等の時系列値をグラフ化するプログラムを作成した。グラフ化によって異常と思われるデータが検出されたので、原因を考察して解消した。これらの観測データと近隣のアメダス地点の観測データとの比較を行い、観測データの妥当性について考察した。5.取得データの公開用WEBアプリケーションについて中学校側から高専のデータベースにアクセスしてグラフ表示する機能の現状の問題点と今後の方針について考察した。6.独立電源について商用電源が使用できない場合を想定し、消費電力の予測に基づいて、太陽電池、コントローラ、バッテリーから構成される独立電源の仕様を決めて導入した。実天候条件下で、制作した独立電源の継続使用可能時間等について検討した。