研究課題/領域番号 |
20360272
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
塩崎 賢明 神戸大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20127369)
|
キーワード | ジャワ島中部地震 / 住宅復興 / NPO支援 / 集落 / 個別再建 / 密集市街地 / 細街路 / 伝統的町家 |
研究概要 |
当初はカソンガン地区、ケダトン地区調査を予定していたが、ジャワ島中部地域で前年に発生したメラピ山噴火災害の被災状況、避難・復興が当該地域で大きな問題になっていることに鑑み、その実態把握を行うこととした。また、カソンガン・ケダトンよりも、住宅建設後の変化の把握が遅れているケボンアグン地区や、レペン地区の増築状況の観察に力を注いだ。さらには、2011年3月に発生した東日本大震災についても、インドネシアとの比較の視点から、その被害と復興状況を調査した。 ケポンアグンはコアハウスによる復興のおこなれたが、カソンガンに比べて増築等が遅れているとされている。その状況について、Tloro村にてRTリーダーに対するインタビューを行い、また村の変化について実測調査を行なった。新レベン村は再三調査しているが、住宅建設・入居後の変化が著しく、増築や観光産業への取り組み等が活発に行われている。 メラピ山噴火災害の被害地については、ガジャマダ大学の協力を得て、ワト・ジョンゴ地区Prunpung地区、Sudimoro地区の仮設住宅見学しインタビューを行なった。また東山麓の最高地にあるKuwang地区、Gondang地区の復興状況を視察した。また、噴火災害は膨大な土砂を河川に流し込み、ジョグジャカルタ市内のチョデ川沿岸地区に洪水をもたらした。相当数の住宅で1階部分が土砂に埋まる被害が出ている。 東日本大震災に関しては、岩手県大船渡市、陸前高田市、釜石市、宮古市、宮城県気仙沼市、南三陸町等、主としてリアス式海岸地域で、津波被災地の被害状況、避難所、仮設住宅の建設、入居状況等を「現地調査した。 大船渡市では市の復興計画策定委員会に加わり、現地調査を行うとともに、被災者の意見把握に努めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ジャワ島中部地震の各種被災地については、概ね予定通り経年的変化を追跡できている。それに加えて、同地域で発生したメラピ山噴火災害の避難や仮設住宅の建設・入居という状況を追加的に調査できたことによって、インドネシアでの災害復興の全体像がより正確に把握できるようになった。また東日本大震災の被害・復興状況をインドネシアと比較することも本研究にとって有益な知見をもたらしている。
|
今後の研究の推進方策 |
ジャワ島中部地震の住宅復興を経年的変化を捉えながら追跡することを予定通り続けながら、その後発生した、噴火災害の復興状況を把握し、また世界的に注目を集めている東日本大震災の復興状況について比較め視点を持ちながら、把握し、国際的な学術交流に発信していくことを目指す予定である。
|