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2009 年度 実績報告書

カンボジアにおける漸進的開発のための建築・都市計画手法

研究課題

研究課題/領域番号 20360280
研究機関近畿大学

研究代表者

脇田 祥尚  近畿大学, 理工学部, 准教授 (40280119)

キーワード水上集落 / 空間構成 / カンボジア / トンレサップ湖 / スクウォッター / 都市居住 / 高床式住居 / プノンペン
研究概要

本研究の目的は、カンボジアの都市居住の特性や都市空間の構成等を明らかにすることを通して漸進的な開発に向けた建築・都市計画手法を明らかにすることにある。平成21年度は2年度目にあたり、夏季に15日間、冬季に15日間、合計30日間にわたる現地調査を行い、(1)スクウォッター地区の居住空間構成、(2)都心部の木造高床式住居の変容、(3)農村集落の空間構成、(4)水上集落の空間構成の4つのテーマに従って基礎的調査を行った。特に中心的に調査を行った(4)水上集落の空間構成について、筏住居という形式の住居が集合するアンロンタウー村を対象に住み込み調査を行い、以下の4点を明らかにした。(1)筏住居はベランダ、居間、寝室、台所の4つの空間から構成される。正面入り口から奥にかけ通路が設けられ、両側には部屋が配置され、左右対称の構成をとる。平均床面積の内、3分の1をベランダの面積が占め、室内空間の約半分を居間が占める。(2)「前ベランダ+主室(前面居間・後面個室)+後ベランダ」を基本形式と位置づけた上で、台所の位置ならびに後ベランダの有無から、5つの住居形式にわけることができる。(3)ベランダは、室内でまかないきれない入浴・洗濯といった生活行為の場であるとともに、演出・信仰・収納の場として機能している。また居間の正面・側面は開放性が高く半屋外空間として機能している。住居周辺に浮かべられる付属建物には生活行為の拡張以外に、栽培や飼育のための機能が付与される。(4)6割を超える住居で、住居を相互に連結させている。そこでは、就寝、洗濯、水浴、排泄といった基本的な生活行為については独立性を保ちながらも、炊事・食事、娯楽、休憩、談話といった行為を、居間やベランダを共同利用しながら、共有している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] プサー・チャー(カンボジア・プノンペン)にみる市場の空間構成2010

    • 著者名/発表者名
      脇田祥尚
    • 雑誌名

      日本建築学会計画系論文集 75-649

      ページ: 587-594

    • 査読あり
  • [学会発表] プノンペン(カンボジア)におけるスクウォッター地区に関する研究その4 ボレイケラ地区における住居の空間構成2009

    • 著者名/発表者名
      伊丹祐介
    • 学会等名
      日本建築学会学術講演梗概集
    • 発表場所
      東北学院大学
    • 年月日
      2009-08-28
  • [学会発表] プノンペン(カンボジア)におけるスクウォッター地区に関する研究その5ボレイケラ地区における居住環境改善事業による集合住宅の空間構成2009

    • 著者名/発表者名
      八尾健一
    • 学会等名
      日本建築学会学術講演梗概集
    • 発表場所
      東北学院大学
    • 年月日
      2009-08-28
  • [学会発表] プノンペン(カンボジア)におけるスクウォッター地区に関する研究その3―ボレイケラ地区における居住空間の空間構成―2009

    • 著者名/発表者名
      伊丹祐介
    • 学会等名
      日本建築学会近畿支部研究報告会
    • 発表場所
      大阪工業技術専門学校
    • 年月日
      2009-06-20
  • [学会発表] プノンペン(カンボジア)におけるスクウォッター地区に関する研究その4―ボレイケラ地区における移転先集合住宅の空間構成―2009

    • 著者名/発表者名
      八尾健一
    • 学会等名
      日本建築学会近畿支部研究報告会
    • 発表場所
      大阪工業技術専門学校
    • 年月日
      2009-06-20
  • [図書] みんなの都市計画2009

    • 著者名/発表者名
      脇田祥尚
    • 総ページ数
      217
    • 出版者
      理工図書

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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