建設作業における災害防止のための手段として下記の支援システムの構築を行った。 1. カメラ画像を用いた建設機械の接触災害防止装置の開発 建設機械と作業者の接触による災害の防止を目的とし、カメラ画像を分析して建設機械の周辺に作業者が存在するかを判断し、レーザー距離計を用いて作業者までの距離を計測し、計測した距離が危険範囲内であれば警告を発する方法を構築した。さらに、プロトタイプ装置を作成し、建設機械からカメラ画像に映る作業者までの距離を精度よく把握出来ることを確認した。この装置の開発によって、既存の接触災害の防止装置における警告発信の不安定さの解決とともに、より安全な作業環境の確保が期待できる。 2. モーションキャプチャによる不安全作業動作のモニタリング方法検討 作業者の不安定な動作による災害発生の因果関係を把握する方法の開発を目的とし、モーションキャプチャによる身体部位の3次元動きの測定装置の設置および、モバイル型の筋電センサーによる身体負荷の測定可能性を検討した。作業者の身体負荷と体の不安定な動きの関係が明確に把握出来れば、モバイル型の筋電センサーによる不安全行動のモニタリングが可能となる。 3. 移動ロボットによる危険場所モニタリング方法の検討 建設現場に発生し得る危険な状況を移動しながらモニタリングするためのロボット装置の提案を目的とする。常に作業環境が変化する建設現場においては、危険な状況を予測して対処する必要があり、ロボット装置による予測できない危険な状況の把握が期待できる。本研究では、基礎的な実験として、移動ロボットの基本的な走行動作の確認を行った。
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