研究課題/領域番号 |
20360285
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
藤川 昌樹 筑波大学, システム情報系, 教授 (90228974)
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研究分担者 |
森下 徹 山口大学, 教育学部, 教授 (90263748)
岩淵 令治 国立歴史民族博物館, 研究部, 准教授 (90300681)
渋谷 葉子 公益財団法人徳川黎明会, 徳川林政史研究所, 非常勤研究員 (70462257)
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キーワード | 建築経営 / 作事記録 / 萩藩 / 近世都市 / 建築儀礼 / 手作事 / 請負 / 職人編成 |
研究概要 |
本研究は、江戸藩邸の作事に際して作成された浩瀚な「作事記録」を分析することにより、江戸時代の都市における巨大構築物の建設がいかなるマネジメント手法のもと達成されたかを解明しようとするものである。主たる対象として設定するのは萩藩江戸藩邸である。 今年度は、(1)「作事記録の会」を計9回開催し、前年度から引き続き「桜田上御屋敷・御中屋敷新御普請之次第」(山口県文書館毛利家文庫蔵8館邸17)の輪読・釈文作成を進めると共に、(2)「江戸桜田屋敷差図」(絵図名誤り、実は新シ橋中屋敷絵図、同58絵図-482)、「江戸桜田御屋敷差図」(嘉永四年写、同58絵図-486)のCAD図作成を行う一方、(3)研究者個々人がこれまで作成したCAD図・釈文の分析を行いつつ個別テーマの追求を行った。また、最終年度にあたるため研究のまとめにも注力し、(4)史料集『萩藩江戸屋敷作事記録』の出版助成を申請し、(5)研究成果を発表するシンポジウム「江戸大名屋敷作事記録を読む」を2011年11月27日(日)に開催し、多数の参加者を得た(於筑波大学東京キャンパス文京校舎)。このシンポジウムでは、宮崎勝美(前東京大学史料編纂所教授)「大名江戸屋敷の作事と作事記録」、高屋麻里子(筑波大学研究員)「絵図と記録にみる萩藩江戸上屋敷の変遷」、加藤悠希(日本学術振興会特別研究員)「萩藩江戸屋敷の造営費と坪単価」、渋谷葉子「萩藩江戸屋敷の建築儀礼」、森下徹「岩国藩江戸屋敷再建普請と町人社会」、岩淵令治「幕末期松代藩江戸屋敷の作事について-大規模作事と小規模作事-」、藤川昌樹「萩藩江戸屋敷作事における「手作事」と「請負」」の7報告を得た。これらの報告をもとに今秋には論文集の出版助成に申請する予定である。
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