平成20年度には脱ガス分析装置を立ち上げ、これに対して標準的水酸化物を試料として装置の特性把握を完了した.一方、直接ZnOへ改質されることが分った.また、高屈折率膜成膜装置の真空排気をドライシステムに改良した.21年度は真空排気が可能なFT-IR分光装置の立ち上げ、赤外線分光による膜中ラジカル分析脱ガス分析装置を用いて、水熱反応後膜からの脱水温度、脱水量を測定し、脱水段階を明らかにした. これらの結果を踏まえて、最終年度である23年度は、先ず、Al膜の水熱反応による凹凸形成の条件をさらに精密化した。その結果、水分子の存在だけでは不十分であり、水中における反応においてのみ凹凸構造が形成されることが明らかとなった。これを、さらに安定化するために、熱処理を行ったところ、いわゆる、擬ベーマイトから脱水により、ベーマイトに改質し、大気中においてはさらにγアルミナに改質され、しかもこの場合、凹凸構造が維持されていることを確認した。 こうして形成された凹凸構造に対して、高屈折材料として酸化亜鉛膜を積層させた。平坦な酸化亜鉛膜と比較して、凹凸膜を用いることで光学的整合性が実現できることを実証した。 亜鉛膜の水熱反応による酸化亜鉛膜形成という新しいプロセスに対しては3価のAlのドーピングを目的としてZn/Alの積層膜を形成し、その水熱反応を行った。Al独特の凹凸構造形成は確認できたが、導電性制御には至らなかった。
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