本年度はAl_2O3-W傾斜機能材料の作製について、原料W粉末と酸化W粉末を用いてスリップキャスティング法により成形体を作製条件と、成形体の焼成条件について検討を行った。得られた知見は以下の通りである。 (1) 分散剤を添加する事で、pH7のAl_2O_3スラリー中でAl_2O_3粒子のゼータ電位が負となり、分散安定性を示すことがわかった。 (2) 表面を酸化させたW粒子は、pH7のWスラリー中で原料のままのW粒子に比べ、ゼータ電位の負の絶対値が大きく、分散安定性を示すことがわかった。 (3) 原料粉末を大気中の200℃で焼成して表面酸化させたW粉末を、分散剤を添加したpH7のAl_2O_3スラリー中に分散させてスリップキャスティングすることで連続的に傾斜組成化した成形体が得られることがわかった. (4) 成形体を真空(2.9×10^<-4>Pa)雰囲気下の1600℃で焼成することにより、Al_2O_3-W傾斜機能材料の作製に成功した。
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