既に、SiO2-B2O3系ガラスやSiO2-P2O5系ガラスにおいてもレーザー照射と熱処理とを組み合わせることでミクロンオーダーのSi析出が可能であることを確認している。従来は、ガウシアンビームを対物レンズを通して集光照射することで、Si析出領域を形成したが、将来的に微細なパターンや周期構造、あるいは三次元構造体の形成を高速・高精度で実施可能とするために、空間位相変調素子(LCOS-SLM)を波面制御モジュールとして利用するホログラフィックフェムト秒レーザー加工システムを構築した。SLMに入力するホログラムは、形成したい任意のパターンを表すビットマップファイルを用いて、フーリエ反復法による数値計算により得た。結果、レーザービームの形状(強度分布)や複数(100点以上)ビームへの分割が制御可能となり、複雑な形状や周期構造を、レーザービームやステージを移動させることなく形成することが可能となった。さらに、フレネルレンズをCGH(Computer Generated Hologram)に組み込むことで、Z軸方向においてもステージを稼働させることなく一括加工することもできた。このシステムを用いて。現在Siのパターンニングを実施している。加えて、レーザーエネルギーによるSi-o結合切断とイオンの拡散現象を利用したシリコン析出に加え、Si析出よりも低いエネルギー密度でGeやCdSe等の半導体ナノ微粒子あるいはAuやAg等の金属ナノ微粒子が析出可能であることも確認した。
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