研究課題/領域番号 |
20360316
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
福永 俊晴 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (60142072)
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研究分担者 |
伊藤 恵司 京都大学, 原子炉実験所, 助教 (80324713)
森 一広 京都大学, 原子炉実験所, 助教 (40362412)
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キーワード | 水素吸蔵材料 / 非平衡材料 / 中性子散乱 / 構造解析 / X線回折 / 構造因子 / 原子分布 / リバースモンテカルロ法 |
研究概要 |
J-PARC/MLF施設に設置されているパルス中性子源を用いた中性子散乱の研究を行うために、中性子全散乱装置(NOVA)を設計・製作し、その全散乱装置を稼働させることにより研究を本格化させる。この時、水素原子の位置ならびにその存在環境に関する解析では、結晶ならびにナノ結晶、そしてアモルファス状態などあらゆる状態を想定したうえでの解析を行えるシステムを開発し、さらに3次元構造を明らかにするモデリング(リバースモンテカルロ法の高度化)を行う。 本年度は、昨年度と同様に装置の整備、特に水素吸収放出過程観察のためのin-situ装置の整備、ならびにプログラムの整備、そしてモデルプログラムの整備などを行いつつ、徐々に本格的な実験に移行している。平行して海外の装置や全散乱装置以外の装置を使った中性子回折実験を行っている。 水素吸蔵材料の構造学的研究として基礎的であるが、実際の水素吸蔵材料にとって重要な水素の存在状態の構造情報を得るために、中性子小角散乱実験を行いMg2Ni水素吸蔵材料中の水素揺らぎを観察した。さらに、ナノポアを持つ新しい水素吸着材料すなわち均一なミクロ細孔を有する多孔性配位高分子錯体(IRMOF:Isoreticular metal-organic framework)に着目し、中性子回折実験ならびにリバースモンテカルロ法(RMC)と第一原理分子動力学法(FPMD)を用いて解析を行い、その中に吸着されている水素の存在位置と存在状態を明らかにした。
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