| 研究課題/領域番号 |
20360319
|
|---|
| 研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
|---|
研究代表者 |
丸山 典夫 独立行政法人物質・材料研究機構, 生体材料センター, 主幹研究員 (00343856)
|
|---|
| 研究分担者 |
片田 康行 独立行政法人物質・材料研究機構, 燃料電池センター, グループリーダー (30127211)
秋山 英二 独立行政法人物質・材料研究機構, 新構造材料センター, 主任研究員 (70231834)
廣本 祥子 独立行政法人物質・材料研究機構, 生体材料センター, 主幹研究員 (00343880)
伊藤 真二 独立行政法人物質・材料研究機構, 分析支援ステーション, 主席エンジニア (50370317)
|
|---|
| キーワード | Niフリー / 高窒素鋼 / フレッティング / 疲労 / 腐食 / 疑似体液 |
|---|
| 研究概要 |
本研究は、Niフリー高窒素オーステナイト系ステンレス鋼の生体環境下におけるフレッティング(微小振幅の磨耗を伴う)腐食疲労破壊機構のメカニズムを解明するとともに、長期的な信頼性・安全性を確保することを目的とする。
平成21年度は、加圧式ESR法により製造した、Niフリー高窒素オーステナイト系ステンレス鋼(Fe-23Cr-1Mo-1Nwt%)を用いて、前年度から引き続き大気中および疑似体液中(リン酸塩類緩衝液)において、フレッティング疲労試験を行った。また、20%冷間圧延し、0.2%耐力を本高窒素鋼に合わせたSUS316L鋼を比較材として用い、大気中および疑似体液中でフレッティング疲労試験を行った。試験条件は、応力比Rが0.1、荷重繰返し速度は大気中では20Hz、擬似体液中では2Hzである。その際、試験片とフレッティングパッドは同一材料を使用し、パッド接触面圧は30MPaで行った。その結果、20%冷間圧延したUS316L鋼およびNiフリー高窒素オーステナイト系ステンレス鋼の10E7回通常疲労強度はいずれも約320-340MPaであった。20%冷間圧延したUS316L鋼の10E7回フレッティング疲労強度は、両環境ともに差はなく、10E7回通常疲労強度に比べて半減した。しかし、Niフリー高窒素オーステナイト系ステンレス鋼の10E7回フレッティング疲労強度は、両環境ともに約280MPaであり、通常疲労強度に比べて約10%の低下であった。この結果は、これまで行ってきた工業用純チタン、Ti-6Al-4V合金、Co-Cr合金およびSUS316L鋼等の既存の生体用金属材料と比べ、著しく高いフレッティング疲労強度を示すことが明らかになった。
|
