研究課題/領域番号 |
20360320
|
研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
解 栄軍 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, 主幹研究員 (00370297)
|
研究分担者 |
広崎 尚登 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, グループリーダー (80343838)
武田 隆史 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, 主任研究員 (60344488)
李 遠強 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, 研究員 (00469777)
|
キーワード | 窒化物・.酸窒化物 / 蛍光体 / 希土類元素ドープ / FED / 電子線励起 / ガス圧焼結 |
研究概要 |
本研究では、次世代の薄型テレビであるフィールドエミッションディスプレイ(FED)で必要とされる、数百kVの電圧で駆動する低速電子線で励起できる蛍光体を開発する。申請者らは、AlNやSi-Al-O-N系化合物をホストとした窒化物蛍光体をバンドエンジニアリングにより導電性を付与するとともにホスト結晶の発光イオンの配位環境を制御して、FED用途の赤、緑、青色蛍光体を開発することを目的とする。 20年度に引き続き、開発された白色LED用窒化物蛍光体のバンド構造を制御するため、バンドギャップエンジニアリングを活用し、電子線励起発光強度を高めることを目指す。本年度では、下記通りの研究実績の概要を示す。 1)Sr_<1-x>Eu_xSi_9Al_<19>ON_<31>窒化物蛍光体を高温合成し、電子線励起特性を検討した。Sr_<1-x>Eu_xSi_9Al_<19>ON_<31>が450nmの青色発光を示し、Euの濃度が増加すると、発光ピーク波長が484nmまでレートシフトしたが、濃度消光が見られなかった。一方、Sr_<1-x>Eu_xSi_9Al_<19>ON_<31>は電子線照射における劣化が少なく、FEDへ応用が可能である。 2)ケイ素源として炭化ケイ素や窒化珪素がAlN:Eu^<2+>に添加し、ケイ素の役割や発光強度を検討した。ケイ素の添加による不純物が減少し、さらに紫外側の発光が抑えられ、AlN:Euの発光強度が向上することを示した。ケイ素はEuがAlN結晶に固溶や安定な積層欠陥の生成を制御する上で重要な役割を果たしていると考えられた。まだ、AlN-SiC固溶体が形成され、炭化ケイ素は窒化珪素よりAlN結晶に固溶しやすいことが分かった。 3)新規γ-alon:Mn^<2+>蛍光体を開発した。γ-alon:Mn^<2+>は515nmの緑色発光を示すが、Mgがドープするとγ-alonのバンドギャップを制御して520nmの発光を達成した。一方、中性子線回折法やSpring-8を利用し、Mnイオンの価数や局所構造を解明した。
|