研究概要 |
[1]合成繊維上への硬質炭素膜のCVD実験 界面活性剤の添加によって基板と液体の間に適度に悪い濡れ性を設定し,基板と泡の相対位置のコントロールによる適切な泡の接触時間の設定を行うことによって,ポリエステル,レーヨンなどの熱に弱く導電性の無い化学繊維に,アルコール溶液を用いた硬質炭素膜の化学蒸着を実現できた. [2]プラスチックス上へのダイヤモンドのCVD実験 水やアルコールなどの分極性液体に濡れ性が悪いが,比較的高温度に耐えうるポリイミド基板を用いて,高分子膜表面にダイヤモンド膜を高速形成する実験を行った.しかしながら,濡れ性のコントロールが難しく,ダイヤモンド形成には至らなかった. [3]炭化珪素のCVD実験 炭化珪素などの化合物半導体を形成させるためには,化学反応の優先則を適用して,酸化物が形成しないようにすることが必須である.22年度は,それぞれの,反応系において,酸化物が発生しない方法を工夫し,炭化珪素を形成するプロセスを試行した.ダイヤモンド形成条件(酸化物が形成しない条件)にSiを添加して実験を行った.ラマン分光分析の結果,炭化珪素結晶の形成が認められた.
|