研究課題/領域番号 |
20360344
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研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
恒川 好樹 豊田工業大学, 工学部, 教授 (50148350)
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研究分担者 |
奥宮 正洋 豊田工業大学, 工学部, 准教授 (20177182)
ワリード カリファ 豊田工業大学, 工学部, PD研究員 (30460611)
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キーワード | ソノ凝固 / 超音波振動 / キャビテーション / 凝固核 / 半溶融鋳造 / 非平衡α-Al相 / 過共晶Al-Si合金 / 亜共晶Al-Si合金 |
研究概要 |
研究の具体的内容 超音波振動下での凝固、すなわち、ソノ凝固による特異ミクロ組織発生のメカニズムを解明することは、凝固分野における新たな学術的意義を創出することに繋がる。 (1)共晶Al-Si合金のソノ凝固実験から、キャビテーション気泡の役割を明らかにする。 (2)アルミニウム合金溶湯の脱ガスに対する超音波キャビテーションの効果を定量化する。 (3)代表的な液相プロセスであるダイカスト、半溶融鋳造にソノ凝固現象を適用し、特徴的な機械的性質を有する合金の創形創質プロセスを開発する。 本年度の研究成果 本年度は、過共晶Al-Si合金のソノ凝固実験を行うことによって、特異なミクロ組織が形成されるメカニズムを調べた。また、亜共晶Al-Si合金のソノ凝固ビレットを用いた半溶融鋳造を行った: (1)過共晶Al-Si合金のソノ凝固では、初晶Siの微細粒状化と非平衡α-Al相が現れ、共晶組織が激減した。初晶Siの微細化に加えて、非平衡α-Al相が出現し、そのSi濃度が高く、硬さも上昇する。キャビテーション崩壊に伴う超高圧場は、Al固溶体の融点を上昇させ、18wt%Si溶湯からα-Al相を液相線温度以上で晶出させる。 (2)亜共晶Al-Si合金中のFe濃度を変えてソノ凝固実験を行った結果、初晶α-Al相は微細粒状化し、脆化の原因となるFe化合物の微細化をもたらす。このミクロ組織は再加熱してもほとんど変化なく、半溶融鋳造によって共晶Siの微細化が実現される。半溶融鋳造部材の引張強度、破断伸びはFe化合物の微細化によって改善される。
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