研究分担者 |
久保井 亮一 大阪大学, 名誉教授 (40029567)
島内 寿徳 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (10335383)
塩盛 弘一郎 宮崎大学, 工学研究科, 准教授 (80235506)
中村 秀美 奈良工業高等専門学校, 物質化学工学科, 教授 (70198232)
森田 誠一 和歌山工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (70332054)
|
研究概要 |
本研究課題の目的は,工業プロセス・生体プロセスで発生するジャンクペプチドを資源として,LIPOzyme機能をコア技術とした新規なストレス応答型バイオリアクターを設計開発することである。そのため,1. LIPOzyme機能の体系化,2.高密度LIPOzyme固定化担体の開発,3.上記の知見に基づく工学的・医工学的ケーススタディーの提示,の3項目について検討をする。最終年度である本年度は,主に項目3.について検討した。研究を円滑に進めるため,A~C班に分けた。 まず,本研究期間中に明らかにしたLIPOzyme機能を総括するため,酵素機能の大分類に従い,既報のLIPOzymeの分類を試みた。主に,(1)電子移動反応,(2)プロトン移動反応,(3)求核/求電子置換反応,の3項目で整理できることが分かった。これらの反応機構を実現するように,ジャンクペプチドやリガンド,ならびにそれらの金属錯体をリポソーム膜上に配位させ,秩序構造を誘導すればよい事を見出した(A班)。LIPOzymeを担体に安定に固定化する手法を検討し,透析膜モジュールへの大容量の固定化に成功した(B班)。タンパク質分離を試験的に実施した結果,効果的に低分子量ペプチドの分離に成功し,今後の反応・分離モジュールとしての本格的な展開の糸口を得る事ができた。さらに、ジャンクペプチドライブラリーの整備を行った(C班)。ジャンクペプチドを生み出す元のタンパク質のアミノ酸配列の疎水性、電荷密度、水素結合安定性のマッピングを進め,脂質組成の条件も明らかにし,LIPOzyme設計のためのデータベースを整備した。
|