研究課題/領域番号 |
20360363
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山下 弘巳 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40200688)
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研究分担者 |
森 浩亮 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (90423087)
亀川 孝 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50525136)
大道 徹太郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 技術専門員 (10379141)
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キーワード | メソポーラス / ゼオライト / シングルサイト光触媒 / 光触媒 / マイクロ波照射 / 紫外線照射 / 金属ナノ粒子 / 選択酸化 |
研究概要 |
本研究では、Ti種をメソポーラスシリカやゼオライトの骨格内に組み込んだシングルサイト光触媒を担体として用い、金属前駆体溶液と混合した懸濁溶液に紫外光またはマイクロ波照射を行う新規な金属担持法の開発について検討を行った。 (1)Ti含有メソポーラスシリカを用いて、紫外光照射下でシリカ骨格に組み込まれた孤立Ti種上に、Ptナノ粒子を固定化することを検討した。Ptナノ粒子は小さな粒子径と狭い粒径分布を示すことを確認した。本触媒はNO分解反応などの反応に高い触媒活性を示した。(2)Ti含有ゼオライトとPdおよびAuの前駆体溶液を混合攪拌し、紫外光照射することで、均一なPdAu合金ナノ粒子の合成を試みた。調製した触媒は、酸素と水素ガスを用いた過酸化水素の直接合成反応に高い触媒活性を示した。合成した過酸化水素を"in situ"でフェノール酸化反応に用いることで、高い転化率を実現した。(3)Ti含有メソポーラスシリカとPtの前駆体溶液を混合攪拌し、マイクロ波照射を行うことで、Ptナノ粒子を固定化した。得られたPt粒子は狭い粒子径分布を示し、孤立Ti種上に固定化されることを確認した。ニトロベンゼン水素化反応の触媒活性を評価し、本触媒は、従来法で調製した触媒よりも高活性を示すことを明らかにした。(4)セリアとチタニアをそれぞれゼオライト上に担持した後、Pt前駆体溶液中に懸濁させ、紫外光照射を行いPt粒子の担持を試みた。ゼオライト上に直接Ptを担持するよりも、セリウムやチタニアを含浸したゼオライト上に担持することで、より小さなPt粒子が生成し高い触媒活性が発現することを明らかにした。 以上のように、本研究では、希少金属の使用量削減を目指し、光やマイクロ波照射を利用して、高活性なナノサイズの均一な粒子径を有する金属触媒の調製に成功した。
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