研究課題/領域番号 |
20360364
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金田 清臣 大阪大学, 太陽円エネルギー化学研究センター, 特任教授 (90029554)
|
研究分担者 |
實川 浩一郎 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (50235793)
水垣 共雄 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (50314406)
満留 尊人 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (00437360)
|
キーワード | ハイドロタルサイト / ハイドロキシアパタイト / モンモリロナイト / 機能集積型触媒 / ワンポット反応 / シラノール / 固定化触媒 / 酸化反応 |
研究概要 |
本研究では、我々がこれまで開発してきた固体金属触媒の知見をもとに新規固体触媒の表面設計を行い、触媒活性点のナノ構造から触媒のマクロ構造までを高次に制御した多機能集積触媒の開発を行った。さらに、持続可能な化学変換プロセスを視野に入れた新しいタイプの"モノづくり"に挑戦し、ワンポット反応に代表される最適な合成ストラテジーを構築することを目的としている。ターゲットとする反応は、(1)酸素や水を酸化剤とする選択的酸化反応、(2)炭素一炭素結合形成反応、(3)炭酸ガスの固定化、(4)還元反応を利用したワンポット反応である。これまでに、1,2に関する触媒開発を行い、成果をあげてきた。本年度は、中でも銀触媒の開発に関する成果において水を用いた反応系を見出し、優れた選択性を示す官能基変換に成功した。また、新規なRh触媒の開発を行い、ワンポット反応への応用を検討した。 特に、安全・安価な水を用いた反応系は、水が酸素源としても重要であるとともに、反応溶媒としても安全であり、有害な有機溶媒を代替することができる点が優れている 銀ナノ粒子を固定化した固体触媒が、一酸化炭素と水を用いたニトロ基の選択的還元反応に高活性を示すことを見出した。本反応では、分子状水素を用いることなく水の水素を利用することができる。また、ワンポット反応に関して、ロジウムを固定化したハイドロタルサイトが不飽和カルボニル化合物への共役付加反応とクネベナーゲル反応を組み合わせた選択的炭素炭素結合形成の優れた触媒となることを見出している。これらの知見は、本研究で目的とする環境調和型の循環型社会構築を目指した新規化学プロセスの開発において、既存の反応系を一新する可能性が極めて高い。
|