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2008 年度 実績報告書

炭化水素類の酸素酸化プロセス構築を指向した触媒デバイスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20360367
研究機関神奈川大学

研究代表者

引地 史郎  神奈川大学, 工学部, 教授 (10282857)

キーワード錯体触媒 / 酸化反応 / 炭化水素 / 酸素 / ニッケル / コバルト / Bio-inspired触媒
研究概要

アルカン水酸化酵素の触媒活性点構造に類似した、硫黄と窒素ドナーが共存した配位環境を有する遷移金属錯体触媒を調製し、その酸化触媒活性を検討した。ホスフィンへの酸素添加反応に対する触媒活性はマンガンやコバルト錯体よりもニッケル錯体が高活性であった。またニッケル錯体はホスフィン共存下でのスルフィドへの酸素添加反応を触媒することを見出した。すなわち、本研究で開発したニッケル錯体は、通常は酸素分子に対する反応性を示さないニッケル(II)種でありながら酸素分子を活性化し、しかもホスフィンを還元剤とすることで酵素と同様に硫黄化合物への酸素原子添加反応を触媒することが明らかになった。さらにニッケル錯体と酸素分子との反応により生じる活性酸素錯体がアルカンからの水素引き抜き活陸を有していることも明らかになった。
またラジカル性配位子を有するコバルト錯体触媒を開発し、これがヒドロキノン類を犠牲試薬とした酸素分子から過酸化水素への変換反応を触媒することを明らかにした。さらに過酸化水素を酸化剤とするアルケン類のエポキシ化に活性を示すタングステン錯体触媒を組み合わせることで、酸素分子を酸化剤とするアルケンエポキシ化反応系の構築を検討した。コバルト錯体触媒およびアルキル置換ヒドロキノンを有機溶媒相に溶解させ、さらに水相にアリルアルコールおよびタングステンペルオキソ錯体を溶解させて液相二層系とし、これに酸素分子を作用させたところ、有機溶媒相で発生した過酸化水素が水相に移動し、これにタングステン触媒が作用してアリルアルコールのエポキシ化が進行することが明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Structural Characterization and Oxidation Activity of a Nickel (II) Alkylperoxo Complex.2009

    • 著者名/発表者名
      S. Hikichi, H. Okuda, Y. Ohzu, M. Akita
    • 雑誌名

      Angew. Chem. Int. Ed. 48

      ページ: 188-191

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Design, Synthesis, and Catalysis of Bio-inspired Immobilized Metallocomplex Catalyst.2009

    • 著者名/発表者名
      S. Hikichi, M. Kaneko, Y. Miyoshi, N Mizuno K Fujita M Akita
    • 雑誌名

      Topics in Catalysis (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] コバルト(II)セミキノナート錯体によるbio-inspired酸素酸化触媒反応系の構築2008

    • 著者名/発表者名
      池田篤司, 瀬川卓磨, 星野一也, 引地史郎
    • 学会等名
      第41回酸化反応討論会
    • 発表場所
      九州大学(福岡)
    • 年月日
      2008-11-28
  • [備考]

    • URL

      http://apchem2.kanagawa-u.ac.jp/~hikichilab/index.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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