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2010 年度 実績報告書

ペプチドの非競合検出系による生物計測の新展開

研究課題

研究課題/領域番号 20360368
研究機関東京大学

研究代表者

上田 宏  東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (60232758)

キーワード生物・生体工学 / 分析科学 / 蛋白質
研究概要

1.ペプチド認識抗体の取得と検出への応用
前年度作製したファージ抗体ライブラリを用いてペプチド等を抗原とした選択を行ったが,十分特異的な結合クローンを得るには至らなかった。しかし,高病原性インフルエンザウィルスHA由来ペプチドを免疫したマウス由来ライブラリから,特異的クローン多数を単離することに成功し,このうち数種のクローンでOS-ELISAの実施に成功した。これらのFab断片を調製し,GFPと融合させたエピトープペプチドを発現させた疑似感染細胞を免疫染色したところ,有意な蛍光像を得ることが出来た(東京都臨床研芝崎愽士らとの共同研究)。以上より,我々のpDongシステムを用いてハイブリドーマを介さずOS-IAに適した抗ペプチド抗体を取得できることが示され,今後同様の手法で多数の検出系が作製できると期待される。
2.抗体産生ハイブリドーマを用いたOS-ELISA用融合タンパク発現系の最適化
L鎖産生ミエローマにIgMH鎖発現ベクターと,酵素SEAPをコードするターゲッティングベクタを導入するモデル系を用いて相同組換えによるIgM-SEAP産生効率向上のための条件検討を行った。この結果,発現ベクターを制限酵素で切断する部位が相同組換え効率に大きな影響を与えることが示された。今後ペプチド核酸PNAや亜鉛フィンガーヌクレアーゼZFNなどを用いてゲノム遺伝子を最適な位置で切断することで,組換え効率を飛躍的に向上できると期待される(東大先端研小宮山真教授らとの共同研究)。
3.無細胞系を用いた抗原結合により光る抗体の構築
無細胞蛋白質発現系を用いた抗体蛋白質の部位特異的蛍光修飾法を用いて,抗原結合によって蛍光強度が増強されるscFv(Quenchbody)の構築に成功した。すなわち,抗原非結合状態で抗体内部のTrp残基によりクエンチ(消光)されたTAMRA色素が,抗原結合により外部に放出され,顕著に蛍光を発することを,数種の抗体で確認した((株)プロテイン・エクスプレス阿部博士,JAIST芳坂教授らとの共同研究)。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Direct construction of open-sandwich enzyme immunoassay for one-step noncompetitive detection of thyroid hormone T42011

    • 著者名/発表者名
      K.N.Islam, M.Ihara, J.Dong, N.Kasagi, T.Mori, H.Ueda
    • 雑誌名

      Anal.Chem.

      巻: 83 ページ: 1008-1014

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Antibody affinity maturation in vitro using unconjugated peptide antigen2010

    • 著者名/発表者名
      H.Iwai, B.Ozturk, M.Ihara, H.Ueda
    • 雑誌名

      Protein Eng.Des.Sel.

      巻: 23 ページ: 185-193

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Micro open-sandwich ELISA to rapidly evaluate thyroid hormone concentration from serum samples2010

    • 著者名/発表者名
      K.N.Islam, M.Ihara, J.Dong, N.Kasagi, T.Mori, H.Ueda
    • 雑誌名

      Bioanalysis

      巻: 2 ページ: 1683-1687

    • 査読あり
  • [学会発表] 蛍光標識抗体断片の消光解消を原理とする新しい免疫化学測定法2010

    • 著者名/発表者名
      上田宏
    • 学会等名
      生物化学的測定研究会第15回学術シンポジウム
    • 発表場所
      長岡京市中央生涯学習センター
    • 年月日
      2010-11-02
  • [図書] 抗リン酸化抗体を用いた生細胞での蛋白質リン酸化検出(佐方功幸,稲垣昌樹,岸本健雄編「細胞周期フロンティア」p.11-17)2010

    • 著者名/発表者名
      大室(松山)有紀, 北岡優一, 上田宏
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      共立出版
  • [備考]

    • URL

      http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/hueda/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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