研究課題
1)線維化を阻害するαシヌクレイン部分ペプチドの配列; 昨年度見出された同部分配列を解析した。その結果、αシヌクレインのN末端領域に位置する配列がPQQで修飾されることで線維化を阻害することを見出した。さらにこの情報にもとづき、同領域を含む複数の10残基程度の合成ペプチドをPQQで修飾することで、これらの配列がPQQで修飾されることで線維化を阻害することを解明した。2)PQQ修飾αシヌクレイン部分ペプチドを用いてβアミロイドおよびプリオン(マウス)の評価;αシヌクレインの凝集線維化を阻害する複数のPQQ修飾αシヌクレイン部分ペプチドの存在によってアミロイドβ(1-42)の線維化が阻害されることはなかった。一方、マウスプリオン蛋白質においてin vitro conversion系での凝集線維化の実験においても同様の傾向が観察された。このことから、PQQ修飾αシヌクレイン部分ペプチドはαシヌクレイン選択的に線維凝集を阻害することがが検証された。3)プリオン(マウス)に対して選択的に凝集線維化を抑制するPQQ修飾プリオン部分ペプチドの設計・評価; マウスプリオンの配列中においてLys残基を含む、複数の候補ペプチドを選択し、これらをPQQによって修飾した。これらのPQQ修飾プリオン部分ペプチドの全長マウスプリオンの線維形成阻害を検討した。これらのPQQ修飾ペプチドはプリオンのin vitro conversion系での凝集線維化抑制能力の阻害が示唆された。
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Prion 2010 Jan.4^<th> 4(1)(Epub ahead of print)
Biochim Biophys Acta. 1792(10)
ページ: 998-1003