研究課題/領域番号 |
20360370
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
高木 昌宏 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 教授 (00183434)
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研究分担者 |
濱田 勉 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 助教 (40432140)
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キーワード | リポソーム / ラフト / 液滴法 / リン脂質 / レーザー共焦点顕微鏡 / ドメイン |
研究概要 |
生体膜はリン脂質から成る脂質二重層を基本構造としている。リン脂質の分布は、側方不均一かつ細胞内外層非対称な構造である。この側方不均一性は、飽和脂質やコレステロールを多く含む「ラフト」ドメインとして近年注目を集めている。 昨年度、我々は、生体膜をモデル化した飽和脂質・不飽和脂質・コレステロールの多成分リポソーム膜において、ラフト様のドメインが形成され、外部刺激によりドメイン依存的にエンドサイトーシスを起こすことを報告した。 しかし生体膜ラフトが有限サイズで保たれるのに対して、リポソーム上のラフト様ドメインは融合を繰り返し成長する性質を示す。我々はその一因として、これまでに考慮られてこなかった生体膜におけるリン脂質の非対称分布に着目した。 そこで、本年度は液滴法により非対称2分子膜リポソームを構築し、非対称膜上のラフトドメイン挙動を明らかにすることを目的とした。 実験システム(液滴法)はシリコンゴムのチャンバー中に、水相とリン脂質が溶解したオイル相を加える。水油間の比重により液滴を単分子膜を介して水相ヘ移行させ、非対称膜リポソームを作製した。不飽和リン脂質DOPC・飽和リシ脂質DPPC;コレステロールの3成分でリポソームを形成し、蛍光顕微鏡および共焦点レーザー顕微鏡を用いて膜ドメイン構造を観察した。 液滴法により非対称膜および対称膜リポソームを作製した。非対称リポソームでは、対称膜リポソームと比較して、よりサイズの小さいドメインが散在している。このことから、脂質二重層の非対称性が疎水基同士の相互作用を変化させ、ドメイン構造の安定性に影響していることが示唆された。
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