研究概要 |
無機化合物である粘土膜クレーストと炭素繊維強化プラスチックのプリプレグとのサンドイッチ積層方法により,高圧下で高温硬化させた無機化合物複合化炭素繊維強化プラスチックの供試体について, 1.引張荷重(0.5%,0.7%歪)×(1,000,10,000回) 2.極低温衝撃(液体窒素温度×100,1,000回) 3.衝撃負荷(1,2,5,3,3.5,4,5J/mm) の負荷をかけた後の水素ガスバリア性能への影響を調べた.その結果,荷重負荷について,0.5%歪では,負荷の繰り返し数に関係なく水素ガスバリア性能への影響は見られず,0.7%歪では,10,000回以上の負荷の繰り返しになるとガスバリア性能が維持できなかった.次に1,000回まで極低温衝撃を繰り返しても,水素ガスバリア性能に殆ど影響はなかった。衝撃負荷については,1.0[J/mm]程度では,ほとんど水素ガスバリア性能に影響せず,2.5[J/mm]以上では,供試体そのものが貫通した. 粘土膜のクレーストについて,基礎的な材料特性として 1.ヤング率,2.破断歪,3.熱膨張率 の計測を行った.-50℃の低温においても1.5から3%程度の破断歪が得られることが分かった.また,熱膨張率は,低温で小さく,また常温を超えるとマイナスになるという特異現象が現れることが分かった. 液体水素タンク用の構造様式検討のために,炭素繊維強化プラスチックに粘土膜クレーストを複合化した小型タンクの試作を行い,簡単な耐圧試験およびヘリウムガスによるリーク試験を実施した.
|