研究課題/領域番号 |
20360389
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
多部田 茂 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (40262406)
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研究分担者 |
木下 嗣基 茨城大学, 農学部, 准教授 (10313008)
北澤 大輔 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (30345128)
西 佳樹 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (70470052)
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キーワード | 海洋工学 / 海洋利用 / 海洋資源 / 海洋生態 / 食料経済 |
研究概要 |
マルチスケール解析のために従来から開発してきたNested grid systemでは、異なる解像度の計算領域を接続して双方向に情報をやりとりしながら計算を行っている。この手法を用いて拡散計算を行うときの特性および精度の検討を行うとともに、安定で高速な計算手法の検討を行った。また、本研究が対象とするようなマルチスケールの解析には非構造格子系を用いた方が本質的に有利である。ただし、計算コストの面からは装置周辺の複雑な密度流は非静水圧で解き、海流や潮流が支配的な広域は従来の海洋モデルと同様に静水圧近似で解くことが有利である。そこで、非構造格子系において非静水圧と静水圧で解く領域をシームレスに接続して計算する手法を開発した。開発した手法を2次元の問題に適用し、手法の有効性の検討を行った。高次生態系モデルの開発に関しては、沿岸性魚類を対象として環境選好性を考慮した行動モデルを構築し、実海域における魚類の動態シミュレーションに適用した。大型藻類利用に関しては、日本近海の一次生産力や栄養塩分布の特性を調査し、それに基づいて海産バイオマスのポテンシャルの検討を行った。社会経済への影響評価に関しては、肥沃化が食料需給に与える影響を検討するために、価格均衡を用いた食料経済モデルIFPSIMに水産物を組み込み、海域肥沃化時のシミュレーションを行った。さらに、肥沃化の具体的な手法の一つである深層水を利用した海域肥沃化技術に関して、密度プリュームの海洋中での挙動に関する検討を行った。また、海藻増殖技術に関する基礎的検討を開始した。
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