研究概要 |
本研究では,海洋環境のモニタリングに資することのできる主翼独立制御型水中グライダー「SOARER(ソアラ)」を研究開発した。機体にはRINKO-Profiler(JFEアドバンテック社製)を搭載し,潜航深度1,500mの中深層で潜入・浮上を繰り返しながら海洋環境データ(深度,水温,電導度,塩分,溶存酸素,クロロフィル,濁度)を取得することができる。小型高圧海水ポンプ(スギノマシン社製)で海水を注排水することによって浮力を調整し,重心移動装置によって姿勢を制御することができる。海中ではデッドレコニング航法によるが,海面浮上時にGPSで自己位置を取得して進路を修正しながら潜航をすることができる。SOARERは,自律型海中ロボットとして,着水から揚収まで完全に自動で潜航をするが,海面浮上時には無線/有線LANによって遠隔制御ができるようになっている。万一,海中で制御不能になった場合は,ウェイトを投棄して浮上する。本機の特長は,左右の主翼取付角を独立に制御することができるようにしたことで,機体後部のエレベーターやラダーと組み合わせて,従来の水中グライダーに比べて,大幅に運動性能を向上させることができたことである。
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