研究課題/領域番号 |
20360398
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研究機関 | 独立行政法人海上技術安全研究所 |
研究代表者 |
上野 道雄 独立行政法人海上技術安全研究所, 流体性能評価系, グループ長 (60358405)
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研究分担者 |
沢田 博史 独立行政法人 海上技術安全研究所, 流体性能評価系, 主任研究員 (80470053)
塚田 吉昭 独立行政法人 海上技術安全研究所, 流体性能評価系, 主任研究員 (90425752)
宮崎 英樹 独立行政法人 海上技術安全研究所, 流体性能評価系, 主任研究員 (10415797)
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キーワード | 数値流体力学 / 細長体理論 / 流体力 / 船型 / 旋回 / 斜航 / 水槽実験 |
研究概要 |
本研究では(1)船種形状が同じで船尾形状のみが異なる3種類の船型の流体力特性を水槽実験によって把握すること、(2)理論計算によってこれら3船型の流体力特性を求め、実験結果と比較検討をもとに計算手法の改良をおこなうこと、(3)改良した計算手法を用いて船型の変化に対する流体力特性の変化を系統的に調べ、船としての性能改善策の指針としてとりまとめることを目標としている。 本年度は2軸船型とバトックフローライン船型の水槽実験を実施した。バトックフロー船型についてはスケグ無しの状態の他、センターフルスケグ、ツインフルスケグ、ツインハーフスケグ、ツインテールスケグの4つのスケグ状態でも計測をおこなった。これらの実験データと過去に実施した1軸船型の実験データとの比較検討によって、船尾形状のみが異なる船型の流体力特性を実験的に把握することができた。実験データは船型によって明確に異なる流体力特性を示した。これらの流体力特性の違いが針路安定性や船体と舵・ポッドとの干渉影響等現れていること、バトックフロー船型についてはスケグの位置と大きさと数によって流体力特性が大きく変化することが明らかとなった。 細長体理論をスケグ無し状態のバトックフロー船型に適用し、理論計算結果が実験結果をよく説明するものであることを明らかにした。スケグ付き状態のバトックフロー船型の流体力特性を推定した。2軸船型についても推進器軸の通る部分をスケグと見なして2軸船の流体力特性を推定した。これら推定結果と水槽実験データの解析結果を比較したところ、大まかな傾向はこの推定手法で捉えることができることが分かった。しかし、詳細に見るとスケグの種類・大きさ等に基づくわずかな違いをこの推定法は十分表現できていないことも明らかとなった。現在、上記の結果のとりまとめ中であり、今後はこれらの水槽実験と理論計算で明らかになった問題点に取り組む予定である。
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