研究課題/領域番号 |
20360403
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
林 一夫 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30111256)
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研究分担者 |
伊藤 伸 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (10315640)
関根 孝太郎 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (70361194)
森谷 祐一 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (60261591)
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キーワード | 地熱 / EGS / HDR / 貯留層 / 地下き裂 |
研究概要 |
水圧破砕を実施すると網目状のき裂群からなる貯留層が形成されると言われている。しかし、溶結凝灰岩などの体積岩中に水圧破砕を行った場合、き裂群でなく、1ないし数枚のき裂が人工熱交換面あるいは人工の流路として機能するようになることが多い。本研究は能動的地熱抽出におけるこれらの卓越き裂について、その力学的および幾何学的特長を同定する手法の開発を目的とする研究である。室内実験により、き裂波と呼ばれる波を検出すべく東北大および秋田県立大で実験を行ったが、明瞭にき裂波と断定することの出来る境界波を検出することは困難であった。秋田県立大では、試験片の形状及び材質も種々変化させて実験を行うとともに、あわせて動的有限要素解析を実施し、計算及び実験の両面からアプローチを試みたが、室内実験での境界波の検出は困難であった。これに対し、フィールドデータからの境界波の検出は比較的容易であり、これを用いて、本学東八幡平HDR(Hot Dry Rock)テストサイトならびにオーストラリアのCooper Basin HDRテストサイトで得られたフィールドデータの解析を試みた結果、極めて良好と思われる同定結果が得られた。東八幡テストサイトを例に取ると、以下のごとくである。本研究で得られた透水率は、3×10^<-12>-4×10^<-10>m^2であった。一方、同フィールドでは、き裂を層状の流路に置き換えて透水率を計測するトランスミッシビティテスト(この方法は、本研究では研究対象としては取り上げていない)を実施して透水率を推定している。結果は、5×10^<-12>-5×10^<-11>m^2であった。両者はよく整合している。
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