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2010 年度 実績報告書

三軸応力下における岩石試験片からの水の出入りの観察と透水係数の推定

研究課題

研究課題/領域番号 20360404
研究機関東京大学

研究代表者

大久保 誠介  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90092155)

研究分担者 福井 勝則  東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (70251361)
羽柴 公博  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (60456142)
キーワード岩石 / 可視化 / 時間依存性 / 三軸圧縮試験 / 透水係数 / 構成方程式 / シミュレーション / 強度回復
研究概要

一軸圧縮応力下に関する岩石の特性に関しては,多数の研究がなされてきており基礎的なデータも積みあがってきている.一方,現実の地下における岩盤は,一方向のみでなく全方向から応力を受けており,当然ながら三軸圧縮応力下にある.よって,この三軸圧縮応力下における岩石の特性を解明することが重要であるが,実験をおこなう上でさまざまな困難があるので,不明な点が多く残されている.
三軸応力下での現象解明がはかどらない原因の一つは,金属製容器の中で実験をおこなうので岩石試験片の観察が困難なことである.これを克服するために本研究では自ら提案した透明な容器を使用して,この中に岩石試験片をおいて試験をおこなうことにした.このようにすることによって,試験片がすこしずつ変形していく様子が観察できる。また,試験片の上下に,透明な水路を設けておき,この水路における水の出入りを観察することによって,岩石中に含まれている水の量,岩石中の水の通りやすさ,さらには岩石中にあらたにできた亀裂の体積がわかる.
本研究では三軸応力下において種々の試験をおこない所定の成果を挙げたが,オリジナリティが特に高いと思われる試験結果について以下で述べることにする.トンネルをはじめとする岩盤内構造物では,掘削直後に側壁や天井が相当に痛む(多くの亀裂が入る)ことがある.その結果,この部分の強度は小さくなるとともに,透水係数が上昇してしまう.このように痛んだ岩石を三軸圧縮状態においてまわりから応力を加えると,次第に強度が増し,透水係数も減少(回復)する可能性がある.
本研究では,実験室にて上記の現象をできるだけ忠実に再現するように努めたところ,予想通りに,適切な三軸圧縮応力下では,強度と透水係数が回復することがわかった.また,その回復の程度と,加えた応力,歪との関係に関する実験式を得ることに成功した.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Applicability of the variable-compliance-type constitutive equation to rock breakage by excavation machinery2011

    • 著者名/発表者名
      Seisuke Okubo
    • 雑誌名

      Tunnelling and Underground Space Technology

      巻: Vol.26 ページ: 29-37

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Long-term creep of water-saturated tuff under uniaxial compression2010

    • 著者名/発表者名
      Seisuke Okubo
    • 雑誌名

      International Journal of Rock Mechanics & Mining Sciences

      巻: Vol.47 ページ: 839-844

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 岩石のピーク強度以前の時間依存性挙動を表す構成方程式とパラメータの取得方法2010

    • 著者名/発表者名
      羽柴公博
    • 雑誌名

      資源・素材

      巻: Vol.126 ページ: 560-568

    • 査読あり
  • [学会発表] 含水飽和した岩石の一軸引張試験2011

    • 著者名/発表者名
      羽柴公博, 福井勝則, 大久保誠介
    • 学会等名
      第40回岩盤力学に関するシンポジウム
    • 発表場所
      土木会館(東京都)
    • 年月日
      2011-01-13

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公開日: 2012-07-19  

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