研究課題
本研究はナトリウムライダー(パルスレーザ)のための、種レーザ(連続光レーザ)を用いた周波数制御の研究であり、ライダー技術の中心となる研究である。種である連続光レーザの波長制御は、パルス増幅された射出レーザの波長を制御する(インジェクションシーディング技術)。本年度は、音響光学素子(AO)を用いたレーザ周波数の高速変換システムを構築し、周波数変換効率計測を行った。それとともに、周波数を切り替えたレーザビーム射出方向の安定性確認実験などインジェクションシーディングのための種光の条件を満たす安定条件の調整を行った。ドップラーフリー分光法を用いて決める周波数基準から、AO素子2つを用いて、プラスマイナスの周波数シフトを高速で切り替えるシステムを構築した。最終的にはレーザの周波数を高速に切り替えることができ、かつインジェクションシーディングのための光軸は3周波数を切り替えてもぶれが無い状態を作る。光軸に対するAO素子入射角度の最適化により、周波数変換効率を最も高めた状態でシステムを組んだ。この状態で、AOに印加する超音波の強度に対する変換効率を計測し、システム全体の光学効率からインジェクションに必要となるレーザパワーの見積を行った。また、波長計を用いてレーザ周波数を計測した。パルスレーザに対してインジェクションをかけ、波形をオシロスコープでモニターしながらAOの周波数を切替え、それぞれの周波数に応じてパルスレーザのインジェクションが正常にかかるかどうかを確認しながら、最適条件を設定した。この状態を確認した上、長時間観測により、システムの安定性の確認をした。また、得られたデータの解析結果からライダーシステムの動作を確認した。
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