研究課題/領域番号 |
20360406
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山口 靖 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (80283472)
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研究分担者 |
安成 哲三 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 教授 (80115956)
檜山 哲哉 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 准教授 (30283451)
佐々井 崇博 名古屋大学, 環境学研究科, 助教 (70443190)
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キーワード | リモートセンシング / 地球観測 / 気候変動 / 生物圏現象 / 炭素循環 |
研究概要 |
衛星リモートセンシングと陸域生態系モデルの組み合わせにより、陸域植生における主に地域スケール(数10km~1,000km程度)での炭素収支・水収支・熱収支を高精度で求める方法を確立することを目的としで研究を行った。まず1980年代以降の植生量や分布の変化について、気温・降水量・日射量等の気候パラメータとの関係を解析した。昨年度は葉面積指数と気候パラメータとの関係を直接求めたが、気候に対する植生の反応時間を考慮し、時間差を考慮した解析を行い、数ヶ月遅れでの対応を何ヶ所かで見出した。 次に陸域生態系モデルBEAMSによる炭素収支解析の精度評価と精度向上のため、フラックスタワーで観測された複数点での地上観測データを収集し、ポイントスケールでの比較を行った。その結果に基づき、キデルの一部を修正するとともに、より広域スケールでのモデルシミュレーションを行うため、NCEP/NCAR再解析データや衛星観測データ、土壌データなどを整備した。また、炭素循環における人間活動の影響評価のため、シンプル地球システムモデルに土地利用プロセスを統合し、土地利用による炭素排出量が大気中の二酸化炭素量や気温に与える影響を評価した。 複雑地表面における広域蒸発散量の推定方法に関しては、その典型例として中国・黄土高原をテスト地域として選定し、蒸発散量推定において非常に重要な大気境界層過程と積雲生成に関しても解析を行った。MODISデータの利用を念頭においた日単位での蒸発散量推定法を提案し、それをフラックス観測データを用いて検討した結果、我々が提案した方法の妥当性が見いだされた。一方でNCEPが提供する再解析データを利用した蒸発散量の推定結果は、衛星リモートセンシングデータやフラックス観測データを利用して推定した蒸発散量に比べ、時空間解像度の点で検討の余地があることがわかった。
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