研究課題/領域番号 |
20360418
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
齊藤 泰司 京都大学, 原子炉実験所, 准教授 (40283684)
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研究分担者 |
三島 嘉一郎 京都大学, 原子炉実験所, 名誉教授 (60027472)
沈 秀中 京都大学, 原子炉実験所, 助教 (20362410)
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キーワード | 溶融金属 / 混相流 / 中性子ラジオグラフィ / 気液界面積 / 熱伝達 |
研究概要 |
本研究では、3年間の研究期間において鉛ビスマス気液二相流の流動特性に関する実験データを蓄積するとともに、液体金属を用いた原子力システムに適用可能なモデルを導き出すことを目的とした。 計測方法としては、これまでに申請者らが開発した液体金属用電気抵抗式マルチセンサープローブ法及び高分解能中性子ラジオグラフィなどを用いて、液体金属二相流のボイド率分布、気液界面積濃度、液相速度および乱流強度分布などを計測し、鉛ビスマス二相流の界面輸送機構及び乱流特性などを明らかにする。 平成20年度には、鉛ビスマスループに設置する試験部の長さを1m延長し、二相流の高さ方向への発達過程を計測できるように改造を行った。 また、平成20年度から平成21年度にかけて、申請者らが開発した電気抵抗式マルチセンサープローブを用いた気泡形状および気泡速度計測法の開発を行った。計測法の妥当性はモンテカルロシミュレーションおよび空気-水二相流を用いて、検証した。 平成22年度は、平成20年度に改良した鉛ビスマスループを用いて実験を行った。ボイド率及び気液界面積濃度の計測には、申請者らが開発した電気抵抗式マルチセンサープローブを用い、液相速度には電磁流速計を用いた。 ボイド率の計測結果から、ドリフトフラックスモデルを摘要した場合、計測値はドリフト速度を従来の傘状気泡の式を用いて表せることがわかった。また、気液界面積濃度は空気水系に対する相関式では、過小評価することがわかった。これは、試験部入り口では気泡の合一が支配的で、変形気泡の割合が増え、球形あるいは楕円気泡の割合が少なくなったためと考えられる。
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