研究課題/領域番号 |
20360423
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
横山 啓一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (60354990)
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研究分担者 |
市原 晃 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (60354784)
黒崎 譲 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (60370392)
松岡 雷士 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究職 (50455276)
笠嶋 辰也 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究職 (10448045)
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キーワード | 同位体選択 / 最適制御理論 / カスケード回転励起 / ヨウ化セシウム / CARS / 回転分布 / ハロゲン化アルカリ / 狭帯域再生増幅 |
研究概要 |
理論的研究では、ヨウ化セシウム分子(CsI)を対象として同位体選択的な振動励起に関する最適制御理論計算を継続した。昨年度は空間配向の影響評価に取り組み、ランダム配向分子集団に対しても同位体選択性を持つ光波形が存在することを見いだした。これはより現実的な系に適用可能なことを示唆する結果であり、この成果を学術雑誌に投稿し掲載された。一方、分子内カスケード回転励起の理論的研究では、物理的背景に関する考察及びCsI同位体分離に適用した場合の数値計算を実施した。これらの成果を2件の国際会議において発表した。また、振動を考慮した振動回転励起挙動計算コードを完成させ、カスケード回転励起による同位体選択に振動励起を考慮しなくても良い条件の一部を明らかにした。 実験的研究では、可視光を使った誘導ラマン散乱によりカスケード回転励起試験を行った。具体的には、フェムト秒チタンサファイアレーザーの8連パルス列を空気中の窒素分子に照射し、コヒーレントアンチストークスラマン散乱(CARS)により回転分布を測定した。昨年度は特にパルス列間隔の校正に回転コヒーレンス分光を適用し精度を高めた結果、回転分布移動の兆候を捉えることに成功した。一方、光分解画像分光を用いた実証実験では、上述のCARS+N2分子での実証可能性が高まったため、作業分子を軽元素のLi2分子からより難度の高い重元素を含むハロゲン化アルカリ分子に変更した。前年度整備したLi2のシード分子線発生技術を応用してハロゲン化アルカリ分子の超音速分子線発生に取り組み、発生を確認した。また、画像分光用狭帯域再生増幅レーザーシステムの開発に関する成果をまとめて国際会議で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画段階では、分子内カスケードの担い手として分子振動励起を想定していた。ところが、分子回転に着目すれば励起光波形として光周波数コムを利用できるため実現可能性が高まることを発見した。その効果を理論的に検証し特許及び学術論文として公表できた。実証実験は、期間途中で研究対象プロセスを切り替えたため若干遅れたが、窒素分子を使ったカスケード回転励起で分布移動の兆候を捉えることに成功し、実証に目処を付けた。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は最終年度となるため、残された課題をクリアし研究目的である同位体選択原理実証を達成する。さらに次のステップにむけた準備を可能な限り進める。理論的研究では、同位体選択後の分解スキーム開発にとって重要となる高回転分子の光励起挙動及びACシュタルク効果の影響を調べる。実証実験では、窒素分子のCARS分光を用いて原理実証を行う。さらに、将来の重元素での原理実証にむけて、ハロゲン化アルカリ分子の回転分布測定技術開発、高出力テラヘルツ波の発生及び分散制御技術開発、回収反応の研究などに取り組む。
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