研究概要 |
本研究では直接還元(固体・固体間反応)により酸化鉄還元の低温・高速化を究極の目的として、1)劣質鉱石中の結合水を除去しナノオーダーの多孔質鉱石を作り、2)その中に木質系バイオマス由来のタール分を高効率に析出させ、3)最後にそれを製鉄原料とする新鉄源を製造することである。 得られた鉄源は高炉の他、電気炉や新製鉄法での利用が期待出来る。 平成21年度は次の実験室レベルの各種分析を実施した。 1)熱分析(ガスクロ付きTG-DTA,DSC)により炭素胆持鉱石の還元挙動調査し3つの領域に分類できることを明らかにした。さらに反応速度解析により活性化エネルギーを求め、従来の炭素反応より低温還元することを示した。 2)鉱石の他、焼結鉱に炭素胆持できないか基礎的に検討した。その結果、ヘマタイトからマグネタイトに変態する際に発生する亀裂内に炭素はわずかに析出することが判明した。
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