研究課題
好適な時期に花を咲かせる仕組みの生態的・進化的機能を明らかにすることを目的として研究を行った。成長から開花への転換・再転換を、バーナリゼーション反応と日長反応をどのように統合して実現しているかを明らかにすること、繁殖への移行を決定するサイズがどのように感知されているのかを明らかにすることを目的として、本年度は、以下の調査・研究を行った。1.野外調査区の設定、環境測定、フェノロジー観測体制の整備:兵庫県中部の野外集団に永久調査区を設置し、約200個体について2006年4月より1週間ごとに成長、繁殖に関するパラメータを測定している。また、温度センサーを設置して気温・地温の継続測定を続けている。この測定を22年度中も継続した。2.ハクサンハタザオにおけるシロイヌナズナ開花調節遺伝子群の相同遺伝子の定量解析:ハクサンハタザオFLC遺伝子転写の定量を野外において継続した。また、これまでの計測データを用いて、調査地での温度データに対する時系列解析を行い、FLCの季節変動を予測するモデルを作成した。その成果を米国科学アカデミー紀要に発表した。3.シロイヌナズナ属の倍数体種タチスズシロソウについて野外調査区を設置し、フェノロジーの定期調査とFLCホモログの配列決定、遺伝子定量の継続調査を実施した。
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PNAS
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Oecologia
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