研究概要 |
1)一過的発現によるSGS3/RDR6ボディーの解析を継続した。さらに、自然に近い状態でのSGS3, RDR6の局在、挙動を明らかとするために、蛍光タンパク質と融合した遺伝子構築をおこない、それぞれの変異体sgs3, rdr6に相補した植物を作成した。植物体をラインとして確立しつつある。 2)小分子RNAの生成、機能発現のために必要な因子についての解析を深めるために、種々の因子タンパク質に対する抗体を作成した。そのうち組織染色でも使えるものとして、AGO1に対する抗体を得ることができた。野生型の植物組織を固定して、AGO1の局在を網羅的に調べることが可能となった。 3)AGOタンパク質と相互作用する因子に関する解析 昨年度明らかとなってきた、AGO1タンパク質と相互作用する因子3種についての解析をすすめた。そのうち、GTP結合部位をもったタンパク質について、特に注目した。蛍光タンパク質との融合させて発現したところ、AGO1との共局在を確認することができた。 4)P-bodyの実体解析:一過的な発現ではなく、ナチュラルに近い状態での発現をさせた形でのP-body可視化をめざし、DCP2遺伝子のプロモーターに、GFPを融合したDCP2遺伝子を連結し、dcp2変異体を相補した植物を作成した。その結果、P-bodyが通常の状態で可視化できる植物を確立することができた。現在、この植物を用いて、種々の生物学的あるいは非生物学的ストレスを与えた際の植物内のP-bodyの挙動を解析する系を立ち上げつつある。
|