アラビドプシス培養細胞抽出液から各種CDK抗体を用いてCDK-cyclin複合体を免疫沈降し、アラビドプシス培養細胞から精製したチューブリンを基質としてリン酸化反応を行ったところ、リン酸化反応が見られたが、反応の特異性に問題があった。また、大腸菌で発現・精製した組換えチューブリンを用いて、同様の反応を行ったところ、βチューブリンの予想されるセリン残基のみが特異的にリン酸化されることが確認できなかった。 TON2フォスファターゼ変異株においてSer172がリン酸化されているという予備実験結果を得ていたが、さらなる実験を行ったところ、結果の再現性に問題があり、現在この実験は中止している。 一方、C792S不活性型PHS1が標的タンパク質を安定にトラップする可能性を調べる目的で、GFP融合した野生型または不活性型を発現させたアラビドプシス植物体からGFP抗体を用いて、相互作用タンパク質群を単離した。磁気ビーズを用いる精製方法により、バックグラウンドを低く抑えて、特異的な相互作用タンパク質を回収する実験条件を確立した。いくつかの不活性型特異的バンドが検出され、現在質量分析機による解析を行っている。この実験と平行して、TAP融合型PHS1(野生型または不活性型)を誘導系プロモーターを用いてアラビドプシス植物体または培養細胞で発現させた系統を作成中であり、実験材料が揃い次第、同様の実験を行って相互作用タンパク質を同定する。
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