研究課題/領域番号 |
20370048
|
研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
二井 將光 岩手医科大学, 薬学部, 教授 (50012646)
|
研究分担者 |
中西 真弓 岩手医科大学, 薬学部, 准教授 (20270506)
後藤 奈緒美 岩手医科大学, 薬学部, 助手 (80403971)
關谷 瑞樹 岩手医科大学, 薬学部, 助手 (70509033)
|
キーワード | V型ATPase / F型ATPase / マクロファージ / 破骨細胞 |
研究概要 |
本研究では、プロトンポンプと内部酸性オルガネラを中心に注目して、酵素学から細胞生物学に至る広い視点から研究を進めている。生化学的には、V型プロトンポンプATPaseとそのモデルとしてのF型ATPaseのサブユニットの回転を伴うプロトン輸送機構を明らかにすることを目的としている。さらに、細胞生物学的にはV型ATPaseがオルガネラ膜と形質膜に局在化する機構と、酸性pHがオルガネラ形成に関与する機構を実証する。これらの研究は、V型ATPaseをターゲットとする創薬のシード化合物を探索することにつながっている。 初年度は本格的な研究の準備と同時に二つのATPaseの機構について新しい知見を得た。まずF型ATPaseのβおよびγ両サブユニットが相互作用を通じて、γサブユニットの回転に至る反応を速度論的に解析し、律速段階を明らかにし、両サブユニットが接している部分の高次構造と対応して考察した,また、F型ATPaseの触媒中心残基をつなぐヒンジ部分の構造が回転を駆動する機構を解析した。さらに、V型ATPaseのサブユニット集合過程とサブユニット複合体の安定性にEサブユニットが重要であることを示した。また、エンドソーム、リソソーム系の内部酸性オルガネラの形成に於けるV型ATPaseの役割、および破骨細胞を中心に細胞形質膜のV型ATPaseの役割と機能を解析した。これらの研究を踏まえて、酸性オルガネラの細胞生物学として、リソソームから破骨細胞の形質膜が形成される過程を中心に研究を進めている。
|