研究課題
ダイニン分子が微小官上を運動する除に、プロトフィフメント1本のみで連動ができるのか、複数の頭部が複数のプロトフィラメントにまたがって相互作用しているのかを明らかにするために、ダイニン重鎖のホモ2量体で双頭構造をもつ酵母ダイニンに蛍光タンパク質(GFP)を融合させた組換えダイニンを発現、精製し、その1分子が連続的に運動する様子を、全反射顕微鏡(TIRF)を用いて観察した。ダイニン結合領域である6チューブリンのヘリックス12が1列のみ表面に露出した重合体であるZnシート上を、GFPを融合した酵母ダイニンがZnシート上を連続的に運動することが観察された。これは、双頭のダイニンがプロトフィラメント1本を使って連続的に運動することができることを示唆している。このZnシート重合体を透過電子顕微鏡(TEM)観察したところ、微小管構造は観察されず、シートが形成されていることが確認できた。しかし、同様の重合体を原子間力顕微鏡(AFM)で観察したところ、微小管様の高さ(約25nm)をもっ重合体が確認され、微小管が混在する可能性を否定できなかった。今後、Znシートの電子顕微鏡像の画像解析から、プロトフィラメント間の距離を計測することにより、プロトフィラメントの配向が逆並行のみであることを証明することが有効であると考えられる。また、微小管に結合したダイニンビーズを光ピンセットで引っ張り結合の破断力を測定したところ、ヌクレオチドなしとAMPPNP存在下では引っ張る向きによる力の差はなかったが、ADP・Vi存在下では微小管のマイナス端側に引っ張ったときのほうがプラス端側のときより小さなカで結合で破断した。これはキネシンとは逆で、ダイニン分子がマイナス端方向へ連続的に運動することと関連すると考えられる。
すべて 2008
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