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2009 年度 実績報告書

桿体と錐体とを特徴づける分子基盤

研究課題

研究課題/領域番号 20370060
研究機関大阪大学

研究代表者

河村 悟  大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (80138122)

キーワード桿体 / 錐体 / cGMP / グアニレートシクラーゼ / トランスデューシン / レチノイド / 明順応 / ホスホジエステラーゼ
研究概要

平成21年度は下記の成果を得た。
(1)錐体と桿体でのcGMP合成活性の違い:桿体と比べると錐体での方がcGMP合成活性ははるかに高いことを明らかにしている。これは錐体に発現しているcGMP合成酵素(GC-C)の1分子あたりの活性が桿体で発現している酵素(GC-R)より2倍高いことと、発現量が錐体の方が20倍高いことに理由があることが明らかになった。実際の細胞内ではこの活性がGCAPによって制御される。GCAPの発現量と酵素キネティクスから細胞内でのcGMP合成酵素活性を推測した。その結果、錐体内cGMP合成の活性調節の幅は桿体でより10倍程度も大きいと推定された。この結果によって、錐体での光応答の高い時間分解能と、錐体の方がより広い光強度の範囲で明順応できる分子メカニズムの一つが明らかになった。
(2)錐体における低いホスホジエステラーゼ活性化効率の分子メカニズムの検討:錐体ではトランスデューシンによるホスホジエステラーゼの活性化効率が低いことを明らかにしている。そのメカニズムを明らかにする目的で、精製した桿体トランスデューシンが桿体と錐体のホスホジエステラーゼを活性化する効率を調べた。その結果、桿体と錐体のホスホジエステラーゼは桿体トランスデューシンによって同等の効率で活性化されることが明らかになった。このことから、錐体での低いホスホジエステラーゼの活性化効率は錐体トランスデューシン側に理由がある可能性が考えられる。
(3)明るい所で大量に生成する褪色産物の処理:前年度、錐体には新規のAL-OL反応と名付けた反応経路が存在し、槌色産物から有効に視物質の再生が起こることを明らかにした。今年度はその反応に与る蛋白質をクロマトグラフィーによって同定する試みと基質特異性を明らかにすることを試みた。その結果、活性を有する画分を確認すると共に基質特異性に関する予備的な知見を得た。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (9件)

  • [雑誌論文] High cGMP synthetic activity in carp cones.2009

    • 著者名/発表者名
      Norihiko Takemoto
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences, USA

      巻: 106 ページ: 11788-11793

    • 査読あり
  • [学会発表] Rod and cone photoreceptors : How they differ in detecting light and maintaining the ability to evoke light responses2009

    • 著者名/発表者名
      Satoru Kawamura
    • 学会等名
      The 10th AEARU International Molecular and Biotechnology Workshop
    • 発表場所
      Taiwan National University, Taipei
    • 年月日
      2009-11-13
  • [学会発表] Identification of a region responsible for higher phosphorylation activity of GRK7 than GRK12009

    • 著者名/発表者名
      Aki Seno
    • 学会等名
      第47回日本生物物理学会年会
    • 発表場所
      アスティ徳島(徳島)
    • 年月日
      2009-10-31
  • [学会発表] コイ錐体視細胞における高いcGMP合成活性2009

    • 著者名/発表者名
      竹本訓彦
    • 学会等名
      第80回日本動物学会大会
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンター(静岡)
    • 年月日
      2009-09-19
  • [学会発表] セブラフィッシュ錐体の主要なタンパク質ES1のノックダウン解析2009

    • 著者名/発表者名
      増田隆昌
    • 学会等名
      第80回日本動物学会大会
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンター(静岡)
    • 年月日
      2009-09-19
  • [学会発表] セブラフィッシュ桿体の光応答特性を調節するオプシンキナーゼGRK2009

    • 著者名/発表者名
      白木知也
    • 学会等名
      第80回日本動物学会大会
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンター(静岡)
    • 年月日
      2009-09-17
  • [学会発表] 錐体視細胞でのトランスデューシンとPDEの活性化と不活性化の効率2009

    • 著者名/発表者名
      橘木修志
    • 学会等名
      第13回視覚科学フォーラム
    • 発表場所
      鹿児島大学(鹿児島)
    • 年月日
      2009-09-03
  • [学会発表] GRK1とGRK7の活性の違いをもたらす領域の特定2009

    • 著者名/発表者名
      瀬野亜希
    • 学会等名
      第15回 日本光生物学協会年会
    • 発表場所
      自然科学研究機構(岡崎)
    • 年月日
      2009-08-20
  • [学会発表] Highly Effective Retinal Metabolism in Carp Cones.2009

    • 著者名/発表者名
      Sadaharu Miyazono
    • 学会等名
      FASEB Summer Research Conferences : The Biology and Chemistry of Vision
    • 発表場所
      Snowmass, Colorado, USA
    • 年月日
      2009-06-15
  • [学会発表] High cMP Synthetic Activity in Carp Cones.2009

    • 著者名/発表者名
      Norihiko Takemoto
    • 学会等名
      FASEB Summer Research Conferences : The Biology and Chemistry of Vision
    • 発表場所
      Snowmass, Colorado, USA
    • 年月日
      2009-06-15

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公開日: 2012-07-19  

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