データベース(PDB)中の大量のタンパク質立体構造データを用いて、タンパク質が基質と結合したときにどのように立体構造を変化させるかを、網羅的に解析・分類し、基質結合→構造変化の因果関係の一般的な論理(ルール)を同定することを目的として以下の研究を行った。 (1)データベースの構築 基質結合状態と非結合状態の立体構造情報からなるふたつの2次データベースを構築した。データベースは以下の二つの観点でまとめる。 a)基質分子として低分子化合物であるものの代表構造 b)基質分子としてタンパク質であるもの代表構造これらのデータベースを用いて、構造変化の分類を行った。(2)線形応答理論の整備 線形応答理論は、基質からの相互作用力が系にかかったときに、非結合状態における平衡ゆらぎの共分散行列に比例して、基質結合によるタンパク質の座標値の変化が求まるというものである。この方法について、以下の4点の開発を行った。 a)構造変化の大きさの決定をする方法の開発 b)二面角系線形応答理論の開発 c)結晶場の影響を扱う方法の開発 d)タンパク質-タンパク質問相互作用への拡張.
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