研究課題
単細胞生物である細菌は、外部環境の変化により、細胞表層が様々なストレスに曝される。それに対処するための「表層ストレス応答」は細菌の生存戦略において重要な意味を持つ。大腸菌のσ^E経路表層ストレス応答では、異常外膜タシパク質(OMP)の蓄積を感知し、2つの膜プロテアーゼDegSとRsePが膜貫通型anti-σ^Eタンパク質RseAを連続的に切断することでσ^Eを活性化させる。二段階目の切断を担う膜切断プロテアーゼRsePは、通常、完全長のRseAは切断できず、DegSによってペリブラスム領坂で切断を受けたRseAのみを切断する。この制御にはRsePの2つのPDZドメイン(PDZ-N.PDZ-C)が関わることが示唆されている。最近、PDZ-CドメインにRseAのDegS切断後露出C末端残基が結合することで、RseAの切断が促進されるとのモデルが結晶構造解析及びin vitro実験から提唱された。我々は、in vivoでの基質切断にけるRseP PDZドメインの役割を解析史、生理的条件下では、PDZドメインによる基質C末端残基の認識は、RsePによる基質切断に主要な役割を果たしていないことを示唆する結果を得た。また、酵素活性部位が膜内部に存在するI-CLiPは、膜構造に組み込まれていない可溶化条件下では生理的条件下とは異なる性質を示す場合があることをみいだした。これは、I-CLiPs研究全般において留意すべき車要な知見といえる。
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Proc.Natl.Acad.Sci, USA
巻: 108 ページ: 6073-6078
http://www.virus.kyoto-u.ac.jp/Lab/akiyama/index.html