研究課題/領域番号 |
20370082
|
研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
稲垣 昌樹 愛知県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 部長 (30183007)
|
研究分担者 |
猪子 誠人 愛知県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 主任研究員 (30393127)
笠原 広介 愛知県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 研究員 (90455535)
|
キーワード | 細胞骨格 / 中間径フィラメント / トリコプレイン / 中心小体 / 細胞接着 |
研究概要 |
上皮に特異的に発現しているケラチン8/18に結合する蛋白質として同定したトリコプレインおよびアルバトロスについて研究を行った。トリコプレインおよびアルバトロスは、Trichohyalin/ Plectin Homology Domain (TPHD)と我々が命名した新規のドメインをもつ蛋白質である。トリコプレインは、分化させた培養細胞および組織細胞(小腸絨毛部)ではケラチンフィラメント上および細胞間接着部位にみられるが、増殖のさかんな培養上皮細胞および組織細胞(小腸陰窩)では中心小体に局在することを見出した。そして、トリコプレインが微小管の母中心小体のappendagesへのアンカリングの安定化も関与していることを見出した。さらにこの制御が母中心小体に局在するninein、0df2との相互連関によって起こることを明らかにしている。また驚くべきことにトリコプレインが中心小体においてAurora-Aと結合すること、そしてトリコプレイン-Aurora-A複合体が形成され、Aurora-Aが活性化することで一次線毛(primary cilia)形成を抑制する機能を有していることを新たに見出した。一方、アルバトロスは、非極性化細胞ではケラチンと共局在するが、極性化した上皮細胞では、主にAJC(apical junctional complex)近傍に存在し、細胞極性の制御にかかわるPar3と複合体を形成している蛋白質であるが、アルバトロスが中心体にも存在していることを見出した。これらのことより、TPHDをもつトリコプレインやアルバトロスが、細胞増殖と分化においてbi-playerとして機能している可能性が示唆された。また、TPHDの機能をさらに解析するため、これらとホモロジーをもつ関連蛋白質として97個の蛋白質を同定した。
|