研究課題
Tbx5とMKL2単独ではANFプロモーターを10倍程度しか活性化できないが、これにMKL2を共導入すると200-300倍の強力な転写活性化が認められる。これに、non-canonical Wntシグナル経路で働くForminドメイン蛋白Daam1の活性化変異体C-Daam1を加えると、転写は1000倍程度まで増強する。この増強効果は、活性化型のRhoAを共導入しても得られる。このことは、Tbx5の機能が、non-canonical Wnt経路下、その他のシグナルによるRhoA活性化によるアクチン骨格のリモデリングに敏感に反応することを意味している。このメカニズムを詳細に解明する目的で、ANF promterの配列を分析した結果、未知のモチーフが見つかり、Tbx5/MKL2の協調的な働きを増強していることがわかった。また、心拍に依存して機能する因子の同定を行ない、miR-21、miR-143を見出した。これらは心拍を止めると発現が消え、再開させると回復する。こノメカニズム解明の目的で、それぞれのpromoter領域の同定を行ない、miR-21において成功した。miR-21promoterには、AP-1、b-catenin、NFAT、STAT、SRFの結合部位が保存されて残っており、その中でもMAPキナーゼ/AP-1、SRF、b-cateninが協調的な作用をすること、未知のモチーフが重要であることを見出し、心拍依存的な発現を調節する分子機構の一端を明らかにした。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
Development, Growth & Differentiation 50
ページ: 459-465
ページ: 697-702