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2009 年度 実績報告書

メダカ近縁種を用いた性決定遺伝子の進化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20370086
研究機関新潟大学

研究代表者

酒泉 満  新潟大学, 自然科学系, 教授 (40175360)

キーワード性決定 / メダカ / 発生・分化 / 遺伝子 / 進化
研究概要

メダカ近縁種からDMYに続く新たな性決定遺伝子を同定することにより、メダカ属魚類をモデルにして、性決定遺伝子の進化機構を探り、脊椎動物における性決定機構の共通性と多様性を統一的に理解することを目的として研究を行った。本年度の成果の概要は以下の通りである。
1.性染色体の解析が最も進んでいるメダカ近縁種であるルソンメダカからDMYとは異なる新たな性決定遺伝子候補GSDFYを突き止めた。今年度は、GSDFYを含むフォスミドクローンから当該遺伝子以外の部分を除いてもXX雄が得られることを確認した。
2.メコンメダカの近縁種である「ラオスメダカ」とペクトラリスメダカの性決定機構を明らかにすることを目的として性連鎖解析を行った。両種ともメダカと同様にXX-XY型の性決定様式をもつことが判明したが、性染色体の同定には至らなかった。
3.ルソンメダカの性決定遺伝子GSDFYをメダカに遺伝子導入したところ、XX雄個体が得られたことから、メダカでは常染色体上にある遺伝子GSDFがDMYの下流で働くことが判明した。すなわち、ルソンメダカにおいては、下流の遺伝子GSDFYの自律的な高発現によりDMYの性決定機能を「乗っ取った」と言える。GSDFはDMYよりもより普遍的な性決定関連遺伝子である可能性がある。
4.インドメダカの性決定領域の塩基配列をX染色体とY染色体で比較したが、性特異的なタンパクコード遺伝子は検出されなかった。
5.DMYをメダカに遺伝子導入した系統が確立し、世界初の「人工性染色体」をもつ系統が2系統完成した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Heritable artificial sex chromosomes in the medaka, Oryzias latipes.2010

    • 著者名/発表者名
      Otake H., et al.
    • 雑誌名

      Heredity (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A sex-determining region on the Y chromosome controls sex reversal ratio in interspecific hybrids between Oryzias curvinotus females and Oryzias latipes males.2010

    • 著者名/発表者名
      Kato M., et al.
    • 雑誌名

      Heredity 104

      ページ: 191-195

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect of high temperature on sex differentiation and germ cell population in medaka, Oryzias latipes.2009

    • 著者名/発表者名
      Selim K.M, et al.
    • 雑誌名

      Aquaculture 289

      ページ: 340-349

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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