研究概要 |
メダカの性決定遺伝子Dmyは、メダカ、ハイナンメダカ、ルソンメダカのの共通祖先で生じ、ルソンメダカの種分化の過程で失われたと考えられた。我々は、ルソンメダカの性染色体が12番染色体であることを確認したのち、ポジショナルクローニングと遺伝子導入実験によって、Y染色体に連鎖したTGFβスーパーファミリーの遺伝子Gsdfが本種の性決定遺伝子であることを解明した。GsdfはX,Yの両方に存在するが、Y染色体上の対立遺伝子GsdfYが性分化時に雄特異的高発現を示した。メダカの性決定カスケードにおいてGsdfは、Dmyの下流に位置することから、Dmyに依存しない新規の対立遺伝子GsdfYの出現によって、メダカでは常染色体にあるGsdfがルソンメダカにおいては性決定遺伝子となり、12番染色体が新規の性染色体になったことが判明した。
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