研究課題
本研究は、胚盤胞から前後軸の形成までのステージにおいて、細胞の分化様式、細胞の形と極性の形成機構、体軸の成立過程の現象について包括的な理解を深めることを目標として以下を実施した。A.胚盤胞以降のステージの培養法の確立。マウス胚において、胚盤胞が子宮に着床し、体軸が形成される過程は依然として謎が多い。そこでこの時期の培養に取り組んでいる。細胞外マトリクス内で発生させた場合、形態的には子宮内での胚とよく類似した胚が発生したが、依然として正常な形態が得られる確率が低く、培地などを改善する必要がある。B.核を標識したマウス胚を用いた細胞分裂、移動パターンの解析。核をGFPで標識したトランスジェニックマウス胚を用い、5日目から約24時間の培養を行い、連続的に観察した。観察される細胞の数は数千を超える為、人がマニュアルで解析を進めるのは非常に困難である。そこで、得られた画像から核の場所を計算機により自動認識、追跡する方法の開発に取りかかった。この際に、元の画像の解像度、Zステップ、時間ステップを最適する必要があり、これらのパラメータを細かく振った画像を準備し、自動化への最適条件を検討した。C.固定サンプルを用いた胚の形態変化の観察 胚を培養する際に、胚が発生する子宮内の環境を模倣すること、連続した形態変化の基礎情報を理解する必要がある。そこで子宮毎固定したサンプルを作製し、連続切片を作製、子宮及び胚の状態を観察することを進めた。3.5日から5日までの連続切片を作製し、形態の変化を観察している。着床時の子宮の状況、胚の存在様式が明らかになった。
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http://www.nibb.ac.jp/sections/fujimori.html