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2010 年度 実績報告書

原腸形成運動を制御するユビキチン化システムの役割

研究課題

研究課題/領域番号 20370090
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

木下 典行  基礎生物学研究所, 形態形成研究部門, 准教授 (30300940)

キーワード原腸形成 / ユビキチン化 / Wntシグナル
研究概要

動物の体の形作りにおいて原腸形成は発生初期に起きる重要な形態形成運動である。この過程の細胞運動制御にWnt/PCP(平面内細胞極性)シグナルが重要であることが明らかとなってきたが、そのシグナル伝達メカニズムは解明されていない。私達は、このWnt/PCPシグナルの細胞内伝達が、ユビキチン化経路によって制御されていることを明らかにした。本研究では、このユビキチン化経路がどのような分子メカニズムによってWntシグナルを制御しているかを解析することを目的とする。β-TrCPはユビキチンリガーゼ複合体を形成し、さまざまなタンパク質をユビキチン化することが知られている。我々は、アフリカツメガエル胚においてβ-TrCPをノックダウンすると、原腸形成運動が阻害されることから、β-TrCPを含むユビキチンリガーゼ複合体が発生過程で重要な役割を果たしていることを明らかにした。今年度は、このβ-TrCPが、細胞接着分子カドヘリンに結合することを見いだした。β-TrCPはカドヘリンをユビキチン化することによってその局在を変化させた。さらに、Wnt/PCPシグナルコンポーネントであるPrickleが、β-TrCPとカドヘリンとの結合やそのユビキチン化を調節することもわかった。これらの実験結果から、我々は、細胞接着分子の新しい局在制御機構を提唱した。カドヘリンは、原腸形成運動する細胞同士の相互作用に密接に関わっている。この結果は、これまで謎だったWnt/PCPシグナルによる原腸形成運動の制御機構を明らかにする上でも重要な発見である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Wnt/PCPシグナルにおけるユビキチンシステムの役割2010

    • 著者名/発表者名
      木下典行
    • 雑誌名

      医学のあゆみ

      巻: 233 ページ: 978-982

  • [学会発表] The ubiquitin system regulates PCP protein localizations in Xenopus embryonic cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Noriyuki Kinoshita
    • 学会等名
      The international conference of the Internatitonal Society of Differentiation
    • 発表場所
      奈良県新公会堂(奈良)
    • 年月日
      20101115-20101118
  • [学会発表] The ubiquitin system regulates PCP protein localizations in Xenopus embryonic cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Noriyuki Kinoshita
    • 学会等名
      Annual meeting of the Japanaese Society of Developmental Biolodists
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都)
    • 年月日
      20100621-20100623

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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