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2010 年度 実績報告書

常染色体STRマーカーを用いた日本国内及びその周辺のヒト集団の同定法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 20370099
研究機関名古屋大学

研究代表者

山本 敏充  名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (50260592)

研究分担者 斎藤 成也  国立遺伝学研究所, 集団遺伝学系, 教授 (30192587)
キーワードSTR / 常染色体 / 東アジア / 集団遺伝 / 同定法 / 遺伝子プール / 遺伝的異質性 / 祖先集団
研究概要

今年度は、昨年度まで継続して行ってきたインビトロジェン社の連鎖解析用STRマーカーのセットから、4塩基リピートで、ヒトゲノムにほぼ均一に分布するSTRを200座位から250座位程度に増やして選択し、実際にマルチプレックスPCR増幅を行い、ジェネティックアナライザー310で電気泳動後、フラグメント解析を行った。この解析により、大凡のプライマー濃度を決定することができ、最終的なマルチプレックスシステムをほぼ完成するに至っている。また、ベイズ的アプローチに基づいたSTRUCTUREプログラムを利用することにより、各国別地域集団間、例えば、日本人と韓国人、日本人と中国人のような区別が確率論的に行える可能性について検討した。さらに、日本人2名、中国人2名、世界中で利用可能な標準DNAを型判定し、実際にこれらのサンプルがどのようなヒト集団に分布するかどうかを検討した。その結果、中国人と日本人との2つの集団間で比較した場合には、アレル頻度の尤度比から、日本人集団と中国人集団をほぼ分離できる尤度比の正規分布が得られ、新たに型判定した各2名のもそれぞれに由来する集団に分布した。
一方、日本国内の地域差を調査することを目的として、仙台市周辺などの地域の調査により、歴史的にある程度家系の繋がりが比較的明らかなところでは、ある程度の試料収集が行える可能性が考えられたので、これらの関係者に打診できるような体制作りを整えつつある。また、愛知県内においては、地元の有力者などの意見交換をしつつ、その採取の可能性について検討したが、様々な地方で、個々の家系について地道に調査する必要があることが分かった。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Frequency data for 12 mini STR loci in Argentina2010

    • 著者名/発表者名
      Carlos Vullo
    • 雑誌名

      Forensic Science International : Genetics

      巻: 4 ページ: e79~e81

    • 査読あり
  • [雑誌論文] FLNA p.V528M substitution is neither associated with bilateral periventicular nodular heterotonias nor with macrothrombocvtonenia2010

    • 著者名/発表者名
      Shinji Kunishima
    • 雑誌名

      Journal of Human Genetics

      巻: 55 ページ: 844~846

    • 査読あり
  • [雑誌論文] アルゼンチンにおける“Midi-6”STRマルチプレックスシステムと他のヒト集団との比較2010

    • 著者名/発表者名
      山本敏充
    • 雑誌名

      DNA多型

      巻: 18 ページ: 274~276

  • [学会発表] 超高速PCR装置による小麦品種判別法(第1報)2010

    • 著者名/発表者名
      井上真紀
    • 学会等名
      DNA鑑定学会第3回大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-12-02
  • [学会発表] 高速PCRのSTRマルチプレックスタイピングシステムへの応用2010

    • 著者名/発表者名
      山本敏充
    • 学会等名
      日本DNA多型学会第19回学術集会
    • 発表場所
      三島
    • 年月日
      2010-11-18
  • [学会発表] H19インプリント遺伝子上流のSNPハプロタイプ分析~22010

    • 著者名/発表者名
      中屋敷徳
    • 学会等名
      日本DNA多型学会第19回学術集会
    • 発表場所
      三島
    • 年月日
      2010-11-18
  • [学会発表] 小麦品種判別への超高速PCRの応用2010

    • 著者名/発表者名
      井上真紀
    • 学会等名
      日本DNA多型学会第19回学術集会
    • 発表場所
      三島
    • 年月日
      2010-11-18
  • [学会発表] アレル特異的PCRによる日本及びモンゴル男性のYハプログループの比較2010

    • 著者名/発表者名
      山本敏充
    • 学会等名
      第64回日本人類学会大会
    • 発表場所
      伊達
    • 年月日
      2010-10-03
  • [学会発表] ドライクリーニング後の精液斑からDNA型を検出した事例2010

    • 著者名/発表者名
      山本敏充
    • 学会等名
      第94次日本法医学会全国学術集会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-06-25
  • [学会発表] H19インプリント遺伝子上流のSNPハプロタイプ分析2010

    • 著者名/発表者名
      中屋敷徳
    • 学会等名
      第94次日本法医学会全国学術集会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-06-25

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公開日: 2012-07-19  

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