研究課題/領域番号 |
20380001
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
千田 峰生 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (30261457)
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研究分担者 |
佐野 輝男 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (30142699)
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キーワード | 黄ダイズ / CHC遺伝子 / RNA干渉 / トヨハルカ / トヨムスメ / RILs / 低温着色抵抗性検定 / DNAマーカー |
研究概要 |
黄ダイズの種皮着色抑制はCHS遺伝子のRNAi(以後、CHS RNAiと省略)による。また、CHSRNAiはダイズゲノム上に座乗するGmIRCHS遺伝子によって引き起こされる可能性が高い。GmIRCHS遺伝子は5'領域の欠損したCHS3遺伝子(以降、pseudoCHS3と表記)の逆位反復配列を含んでいる。そのため、GmIRCHS遺伝子が転写された場合、pseudoCHS3の2本鎖RNAが形成され、CHS RNAiの引き起こされることが考えられる。本課題研究により、低温着色感受性およびその抵抗性は、低温によるCHS RNAiの阻害程度によることが明らかになった。興味あることに低温着色感受性品種トヨムスメ及び抵抗性品種トヨハルカにおいてGmIRCHS遺伝子領域で多型の検出されることも明らかになった。すなわち、トヨハルカゲノムにはpseudoCHS3が逆位反復配列ではなく、相補的なpseudoCHS3配列しか存在しない。この構造差異を利用して、低温着色抵抗性であるトヨハルカ型を特異的に識別できるDNAマーカーを作出することができた。平成23年度はトヨハルカ×トヨムスメのRILsについて、各植物体について低温着色抵抗性検定を行うとともに本DNAマーカーがトヨハルカ型かトヨムスメ型かについて多型解析を行った。その結果、トヨハルカ型ホモのRIL植物体のほとんどが低温着色抵抗性を示すことが判明し、本DNAマーカーが低温着色抵抗性識別マーカーとして有効である可能性が示唆された。しかしながら、トヨハルカ型ホモであっても低温着色感受性を示すRIL植物体もわずかに存在することから、本マーカーのみでは完全な識別が不可能であり、マーカー選抜精度をさらに向上させるために、今後は第二の識別マーカー開発が必要であると考えられた。
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