研究課題
自家不和合性は同じ個体あるいは遺伝的に近縁な個体からの花粉を雌ずいが認識・拒絶する機構であり、免疫を持たない植物における自他識別機構として古くから注目を集めてきた。また、その機構解明は、画期的植物品種改良(育種)技術や採種・栽培技術の開発にも直結する。最も多くの植物種に見られる機構である配偶体型自家不和合性は、雌ずいと花粉双方の認識特異性決定遺伝子が同定されたが、それらの細胞内での機能や他の因子との相互作用などは未解明のままである。本研究では、更にバラ科と類似した機構を持つナス科植物も対象に加え、遺伝分析、形質転換実験、タンパク質相互作用解析など様々なアプローチを駆使し、得られた知見をバラ科・ナス科間で相互に比較し、起源・進化の観点も含めて配偶体型自家不和合性機構の総合的解明を目指す。・リンゴ・ナシの花粉S遺伝子および非S因子の単離と解析既に単離しているリンゴ・ナシの花粉S遺伝子候補SFBB(Sassaら2007)(Minamikawa et al.,(2010)について、変異体を用いた解析を行った。その結果、ハプロタイプに複数存在するSFBBの多くは花粉S特異性に関与しており、それぞれは一つもしくは一部の非自己S-RNaseを分解する役割を持つ可能性が示唆された(Kakui et al.,(2011))。・ペチュニアの自家不和合性非S因子の単離と解析タバコ属で知られている非S因子120kのペチュニアホモログの機能解析を試みた。
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The Plant Journal
巻: 68 ページ: 1028-1038
10.1111/j.1365-313X.2011.04752.x