• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

イネの発生と形態を制御する遺伝子機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20380005
研究機関東京大学

研究代表者

平野 博之  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00192716)

キーワード形態形成 / 発生 / 形態改変 / イネ / 小穂(花) / 葉 / 遺伝子 / 形質転換
研究概要

作物の形態は,収量,栽培のしやすさ,単位面積あたりの栽培個体数など,農業的に重要な形質と密接に関連している.本研究は,モデル植物であり,かつモデル作物でもあるイネを研究材料とし,その形態や発生を制御する遺伝子の機能を明らかにすることによって,その成果を将来の形態改変に基づくイネの品種改良へと発展させることを目的としている.本年度は,小穂形態に異常を示す変異体として,long sterile lemma(g1)およびextra glume(eg1)変異体について,昨年度の成果を踏まえて,さらにその研究を発展させた.G1遺伝子に関しては,昨年度候補遺伝子として同定した遺伝子の相補性検定を行い,同定した遺伝子が確かにG1遺伝子であることを確認した.G1遺伝子は,機能未知のドメインと核局在シグナルをもつタンパク質をコードしていた.細胞内局在性をしらべた結果,G1タンパク質は核に局在すること,酵母のGAL4によるtransactivationによる解析の結果,G1タンパク質が転写活性能をもつことを明らかにした.さらに,イネの小穂の形態進化とも関連させて,G1遺伝子の研究成果を論文として発表した.EG1については,コードするタンパク質からジャスモン酸合成系に関わることが示唆されたため,eg1変異体にジャスモン酸を投与したところ,その変異が一部回復することが明らかとなった.以上の結果から,イネの小穂の発生・分化の時期に,ジャスモン酸類が重要な働きをしていることが示唆された.DL遺伝子に関しては,DLの発現量または機能の程度と,中肋の大きさとの間に強い関連があることが示され,これまでの仮説がさらに確証された.また,心皮形成において,DLの下流で発現制御されている遺伝子候補を見出した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The homeotic gene LONG STERILE LEMMA(G1)specifies sterile lemma identity in the rice spikelet.2009

    • 著者名/発表者名
      Yoshida, A., et al.
    • 雑誌名

      Proc.Natl.Acad.Sci.USA 106

      ページ: 20103-20108

    • 査読あり
  • [雑誌論文] FON2 SPARE1 redundantly regulates floral meristem maintenance with FLORAL ORGAN NUMBER2 in rice.2009

    • 著者名/発表者名
      Suzaki, T., et al.
    • 雑誌名

      PLoS Genet. 5

      ページ: 1-9

    • 査読あり
  • [学会発表] Distinct and redundant pathways that regulate stem cell maintenance in rice2009

    • 著者名/発表者名
      Yoshida, et al.
    • 学会等名
      The 9th International Plant Molecular Biology
    • 発表場所
      St.Louis U.S.A.
    • 年月日
      20091025-20091030
  • [学会発表] Analysis of anther development in relation on the adaxial-abaxial polarity in rice.2009

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, et al.
    • 学会等名
      The 9th International Plant Molecular Biology
    • 発表場所
      St.Louis U.S.A.
    • 年月日
      20091025-20091030
  • [備考]

    • URL

      http://www.biol.s.u-tokyo.ac.jp/users/hirano/lab.html

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi